薬剤師のスキルアップ 公開日:2026.08.18 薬剤師のスキルアップ

電子的調剤情報連携体制整備加算とは?薬局での算定要件や施設基準を解説

文:秋谷侭美(薬剤師ライター)

電子的調剤情報連携体制整備加算は、医療DX関連施策の状況を踏まえて2026年度調剤報酬改定で新設されました。本記事では、薬局が算定する電子的調剤情報連携体制整備加算について、点数・算定要件、施設基準、届出方法などを解説します。

1.電子的調剤情報連携体制整備加算とは?

電子的調剤情報連携体制整備加算とは、薬局で質の高い医療を提供するための医療DXに対応する体制を評価する調剤基本料の加算です。
 
2026年度調剤報酬改定により、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止され、評価区分を一本化する形で新設されました。

 


 

電子的調剤情報連携体制整備加算を算定するためには、電子情報処理組織を使用した調剤報酬請求や、オンライン資格確認システムの活用などが必要であり、他医療機関や多職種との連携、業務の効率化などを促し、より質の高い医療の提供に努める薬局を評価するものとなっています。
 
参考:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】|厚生労働省
参考:調剤報酬点数表に関する事項|厚生労働省
参考:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省

 

1-1.2026年度診療報酬改定での変更点

2026年度診療報酬改定では、医科・歯科・調剤ともに、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止され、以下の新たな評価項目が新設されました。

 

医科 電子的診療情報連携体制整備加算
歯科 電子的歯科診療情報連携体制整備加算
調剤 電子的調剤情報連携体制整備加算

 

調剤報酬においては、以下のように評価項目と点数が変更されています。

 

改定前 改定後
医療DX推進体制整備加算1:10点 電子的調剤情報連携体制整備加算:8点
医療DX推進体制整備加算2:8点
医療DX推進体制整備加算3:6点
医療情報取得加算:1点

参考:令和8年度診療報酬改定の概要 7.外来医療の機能分化・強化等|厚生労働省

 

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2.電子的調剤情報連携体制整備加算の点数と算定要件

電子的調剤情報連携体制整備加算の点数や算定要件は、以下のとおりです。

 

点数 8点
算定タイミング ● 処方箋受付1回につき算定
● 患者さん1人につき月1回のみ
実施する業務 以下を通じて患者さんの診療情報、薬剤情報などを閲覧および活用し、調剤、服薬指導などを行うこと
 ● オンライン資格確認等システム
 ● 電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェック
算定できない薬局 特別調剤基本料Bを算定している薬局

参考:調剤報酬点数表|厚生労働省
参考:調剤報酬点数表に関する事項|厚生労働省

3.電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準

電子的調剤情報連携体制整備加算は、オンライン資格確認等システムや電子処方箋管理サービスなどを活用して、患者情報の取得や調剤報酬請求などを行うことが施設基準となっています。具体的な施設基準は以下のとおりです。

 

調剤報酬請求 電子情報処理組織を使用して行うこと
オンライン資格確認 ● 健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認を行う体制を有すること
● オンライン資格確認の導入時に、医療機関等向けポータルサイトで運用開始日の登録を行うこと
患者情報の活用体制 オンライン資格確認等システムを通じて、以下が実施できる体制を有すること
 ● 患者さんの診療情報、薬剤情報などの取得
 ● 調剤、服薬指導などを行う際の当該情報の閲覧・活用
電子処方箋・電子カルテの活用体制 ● 電子処方箋の調剤体制を有し、紙処方箋を受付・調剤した場合を含め、原則として全ての調剤結果を速やかに電子処方箋管理サービスに登録すること
● 調剤に際して、電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェック機能を用いて、不適切な組み合わせの有無を確認できる体制を整備すること
● 国などが提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報などを活用する体制を有していること
調剤録・薬歴の管理体制 ● 電磁的記録による調剤録および薬剤服用歴の管理体制を有していること(紙処方箋や情報提供文書などの紙媒体はそのまま保管可)
● 以下を担う薬局内の医療情報システム間で情報の連携が取られていることが望ましい
 ○ オンライン資格確認
 ○ 薬剤服用歴等の管理
 ○ レセプト請求業務 など
相談応需の体制 マイナポータルの医療情報などに基づき、患者さんからの健康管理の相談に応じる体制を有していること
レセプト件数ベース
マイナ保険証利用率
算定月の3~5カ月前において30%以上
薬局内の掲示 薬局の見やすい場所、および原則としてウェブサイトに以下の事項を掲示
 (イ)オンライン資格確認等システムを通じて、診療情報や薬剤情報などを取得・閲覧し、調剤・服薬指導などを行う際に活用している薬局であること
 (ロ)マイナンバーカードの健康保険証利用を促進するなど、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる薬局であること
 (ハ)電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスを活用するなど、医療DXに係る取り組みを実施している薬局であること
セキュリティ対策 サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について、以下を参照・活用して適切な対応を行う体制を有していること
 ● 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の最新版
 ● 「「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」及び「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~薬局・事業者向け~」等について」(令和5年10月13日付け医政参発1013第2号・医薬総発1013第1号医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官・医薬局総務課長通知)の別添1・別添2・別添4

※レセプト件数ベースマイナ保険証利用率とは、同月におけるマイナ保険証利用者数を同月の患者数で除した割合であって、社会保険診療報酬支払基金から報告されるもの
参考:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
 
なお、厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その7)」によると、電子処方箋の受付・調剤体制については、電子処方箋の機能が拡張された場合も、2023年1月26日から稼働した基本機能(処方・調剤情報の登録を含む電子処方箋の発行・応需、処方・調剤情報の閲覧、重複投与・併用禁忌のチェック)に対応した電子処方箋を受付できる体制を有していればよいとされています(2026年5月29日時点)。

4.電子的調剤情報連携体制整備加算の届出方法

電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準の届出については、様式87の3の6を用いて、地方厚生(支)局長に提出します。
 
「国などが提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報などを活用する体制」については、当面の間、基準を満たしているものとみなされますが、全国でサービスの運用が開始された場合には、速やかに導入するよう努めることとされています。
 
なお、「レセプト件数ベースマイナ保険証利用率」と「マイナポータルの医療情報などに基づく患者さんからの健康管理の相談に応じる体制」については、基準を満たしていればよく、届出を行う必要はありません。

 
参考:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省
 
また、2026年5月31日時点で、すでに医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている薬局は、改めて電子的調剤情報連携体制整備加算の届出を行う必要はありません。
 
参考:疑義解釈資料の送付について(その1)令和8年3月23日|厚生労働省

5.電子的調剤情報連携体制整備加算を算定するために

電子的調剤情報連携体制整備加算を算定するためには、薬局内の設備を整えるだけでなく、サイバーセキュリティ対策を行ったり、患者さんにマイナ保険証の使用を促したりする必要があります。必要な体制整備や周知活動を進めることで、患者さんの情報を一元的に把握しやすくなり、より安心・安全な医療の提供につながるでしょう。

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執筆/秋谷侭美(あきや・ままみ)

薬剤師ライター。病院・薬局で幅広い診療科を経験。現在は2児の子育てをしながら、Webライターとして活動中。専門的な資料や情報をわかりやすくかみ砕き、現場のリアルに寄り添う言葉で伝えることを大切にしている。同じ薬剤師として、日々の悩みやモヤモヤに共感しながら、少しでも役立つヒントや気づきを届けられるように試行錯誤中。