【製薬協調査】小児薬7割が同時開発 ~ 欧米追随から早期参画に 日本製薬工業協会
日本製薬工業協会が加盟64社を対象に実施した小児開発状況の調査で、欧米の開発時期に合わせて国内小児開発を検討するプロジェクトが7割に達していたことが分かった。成人用医薬品の開発段階から小児用医薬品の開発計画策定を求める小児開発の努力義務化を背景に、国内の小児開発が欧米開発への追随型から同時・早期参画型へと徐々に移行している実態が浮かび上がった。一方、小児開発における当局相談の活用率は高いものの、相談時期は依然として成人の承認申請後が中心となっている。
調査は、3月末時点で日本での開発を計画、実施、または申請中のプロジェクトを対象に、小児開発促進に関する各種規制の影響を分析した。
日本国内の開発プロジェクトのうち、小児開発を実施している案件は約2割を占めた。小児開発を行わない理由としては、「小児対象外の疾患」であることや、「海外で小児開発の予定がない」ことが大半を占めた。
欧米で小児開発が行われているプロジェクトのうち約7割は、日本でも開発が進められていた。日本での開発を予定していないプロジェクトは1割未満にとどまり、その理由として、日本における対象患者数の少なさや、試験デザインやフィージビリティ(実施可能性)の問題から国際共同治験への参加が困難であることなどが挙げられた。
成人と同一試験で実施するケースを除いた小児単独開発で見ると、欧米開発に合わせて国際共同治験への参加を検討しているプロジェクトは74%に上昇した。割合は23年度58%、24年度64%、25年度68%と年々上昇しており、後追いでの開発ではなくなりつつある。
第II相試験以降のデータパッケージでは、「国際共同治験」が74%を占め、「国内治験」が16%、「国内治験+海外治験」が6%だった。国際共同治験に参画し、臨床試験データを取得する戦略が主流になっていることが示された。
小児対象臨床試験以外のデータ活用では、国内外の成人データの外挿やモデル&シミュレーション(M&S)による用量設定が進んでいた一方、リアルワールドデータ(RWD)の活用を予定するプロジェクトは限定的だった。
小児開発では約8割のプロジェクトが当局相談を活用しており、相談内容も概ね受け入れられていたが、相談時期を見ると成人の承認申請前に相談を実施している品目は3割程度にとどまった。相談を行わない理由としては、「過去の試験経験から不要と判断した」が最多で、「相談しても試験デザインを変更できない」が続いた。
小児開発の努力義務化の影響については、「影響があった」とする小児開発プロジェクトが25年の11.3%から26年には22.4%へと倍増した。「現時点では影響を受けていないが今後検討する」との回答も増加しており、製薬協は今後、小児開発の努力義務を意識した開発が増加すると見ている。
成人開発中に小児開発計画を策定した場合、再審査期間を最長2年間延長できる制度の影響については、「影響があった」とするプロジェクトが25年の21.8%から26年は24.3%に微増したものの、依然として3割未満にとどまった。
小児用医薬品の開発促進を目的とした希少疾病用医薬品指定制度では、2025年度調査に引き続き「優先審査」が最も多かった。ただ、オーファン指定品目のうち、優先審査・優先相談の対象となった品目は27%にとどまった。製薬協は「優先審査・優先相談の対象拡大が必要」と指摘している。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
日本製薬工業協会が実施した小児開発状況の調査(加盟64社を対象)によると、欧米の開発時期に合わせて国内小児開発を検討するプロジェクトが7割に達していたことが判明。一方で小児開発における当局相談の時期は成人の承認申請後が中心となっています。