第44回 林真一郎 先生
地域住民にとって最も身近な医療従事者である薬剤師には、セルフメディケーションを推し進め、地域の人たちの疾患予防・健康増進の手助けをすることが求められています。
今回は患者さんや地域住民の健康維持・疾患予防に役立つ植物療法の普及に尽力している林真一郎先生に、植物療法についてうかがいました。全5回のシリーズです。
原稿/高垣育(薬剤師・ライター)
これまで植物療法にはハーブ、アロマセラピーなどさまざまな方法と、多様な活用の仕方があることをご紹介してきました。これらを使いこなすために大切なことは、患者さんやお客さんのライフスタイルを詳細に聞き取ることです。
なぜライフスタイルの聞き取りが必要なのか。それは多数ある植物療法のうち、どの方法がその方の毎日の暮らしに取り入れやすいかを判断するためです。
もう一つ大切なことは、植物療法への入り口を広く、敷居を低くすることです。どれほどその方に合うと思われる療法でも、新しい器具が必要だったり、毎日実行するには手間がかかるようなものは避けた方がよいでしょう。
そこでおすすめなのは、その方の毎日のライフスタイルに組み込まれた習慣の一部に置き換えられる方法を見つけることです。今の生活のリズムや習慣を崩すことなく取り入れられますし、手間も時間もほとんどかかりません。勧められた方も「やってみようかな」という前向きな気持ちになりやすいのです。
“毎日の生活習慣の一部を置き換える”ことで取り入れやすい植物療法を2つご紹介しましょう。
1つ目はハーブティーです。私たち日本人にはお茶を飲む習慣がありますし、患者さんやお客さんの多くも、毎日お茶やコーヒーなどの嗜好品を摂っているのではないでしょうか。
普段摂っている飲み物すべてをハーブティーに変更する必要はなく、1日に摂る飲み物のうち、何杯かをハーブティーに代えてみるように勧めてみてください。
また、ハーブティーは淹れたてでなくても大丈夫です。マイ水筒を持ち歩く方であれば、水筒にハーブティーを入れて、会社や学校などに持って行くようにアドバイスしてみてはいかがでしょうか。
もう1つのおすすめの方法は、エッセンシャルオイルを使った入浴です。
普段の入浴剤を植物療法に置き換えてみましょう。湯船に垂らすオイルは、4~6滴で充分です。湯船に垂らしたらお湯と精油をよくかき混ぜ、立ちのぼる香りを楽しみながらの入浴を勧めてみましょう。
エッセンシャルオイルは多く使いすぎると、精油が皮膚を刺激してかゆみや痛みを生じるので注意が必要です。また、前述した通り、柑橘系のエッセンシャルオイルを使う場合は、皮膚炎についての注意を促すことが必要です。
こうしたお茶や入浴剤への置き換えは、ハーブティーとエッセンシャルオイルを手に入れれば、どのようなライフスタイルの方でも取り入れやすい方法です。ぜひ患者さんやお客さんのために活用してみてください。
これまで植物療法にはハーブ、アロマセラピーなどさまざまな方法と、多様な活用の仕方があることをご紹介してきました。これらを使いこなすために大切なことは、患者さんやお客さんのライフスタイルを詳細に聞き取ることです。
なぜライフスタイルの聞き取りが必要なのか。それは多数ある植物療法のうち、どの方法がその方の毎日の暮らしに取り入れやすいかを判断するためです。
もう一つ大切なことは、植物療法への入り口を広く、敷居を低くすることです。どれほどその方に合うと思われる療法でも、新しい器具が必要だったり、毎日実行するには手間がかかるようなものは避けた方がよいでしょう。
そこでおすすめなのは、その方の毎日のライフスタイルに組み込まれた習慣の一部に置き換えられる方法を見つけることです。今の生活のリズムや習慣を崩すことなく取り入れられますし、手間も時間もほとんどかかりません。勧められた方も「やってみようかな」という前向きな気持ちになりやすいのです。
“毎日の生活習慣の一部を置き換える”ことで取り入れやすい植物療法を2つご紹介しましょう。
1つ目はハーブティーです。私たち日本人にはお茶を飲む習慣がありますし、患者さんやお客さんの多くも、毎日お茶やコーヒーなどの嗜好品を摂っているのではないでしょうか。
普段摂っている飲み物すべてをハーブティーに変更する必要はなく、1日に摂る飲み物のうち、何杯かをハーブティーに代えてみるように勧めてみてください。
また、ハーブティーは淹れたてでなくても大丈夫です。マイ水筒を持ち歩く方であれば、水筒にハーブティーを入れて、会社や学校などに持って行くようにアドバイスしてみてはいかがでしょうか。
もう1つのおすすめの方法は、エッセンシャルオイルを使った入浴です。
普段の入浴剤を植物療法に置き換えてみましょう。湯船に垂らすオイルは、4~6滴で充分です。湯船に垂らしたらお湯と精油をよくかき混ぜ、立ちのぼる香りを楽しみながらの入浴を勧めてみましょう。
エッセンシャルオイルは多く使いすぎると、精油が皮膚を刺激してかゆみや痛みを生じるので注意が必要です。また、前述した通り、柑橘系のエッセンシャルオイルを使う場合は、皮膚炎についての注意を促すことが必要です。
こうしたお茶や入浴剤への置き換えは、ハーブティーとエッセンシャルオイルを手に入れれば、どのようなライフスタイルの方でも取り入れやすい方法です。ぜひ患者さんやお客さんのために活用してみてください。
東邦大学薬学部薬学科卒業。1985年グリーンフラスコ株式会社設立。医師・鍼灸マッサージ師・助産師・薬剤師などとネットワークを作り、情報交換を行いながらホリスティック医学としてのアロマテラピーやハーブ療法の普及に取り組んでいる。