「ステロイド不使用」等表記可能‐一般薬広告基準見直しへ
9月中に都道府県に通知
厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課は、一般用医薬品・指定医薬部外品の広告基準を見直す。厚生労働科学研究「医薬品等の広告監視の適正化を図るための研究班」(研究代表者:白神誠・日本大学薬学部教授)の報告書を踏まえ、具体的な改正基準や運用解釈をまとめ、9月中に改正基準を都道府県に通知する予定。
広告基準は、医薬品、医薬部外品などの広告が虚偽・誇大にならないようにするためのもの。基準は、1980年に策定されて以来、35年以上にわたり改訂されておらず、日本OTC医薬品協会が「国を挙げてセルフメディケーション推進に取り組む中、そぐわない部分がある」などと指摘し、「時代に合った」基準の検討を求めていた。
政府が昨年6月に閣議決定した規制改革実施計画にも「広告基準の見直し」が盛り込まれ、「2017年度上期措置」などのスケジュールが示されていた。具体的な基準案や運用解釈は、厚労科研の研究班報告書を踏まえ作成する。
現行の基準では、複数の効能効果を有する医薬品の場合、「二つ以上」の効能効果を表示しなければならなかったが、新基準案では「一つのみ」の表示を可能にすることなどを検討している。
基準が見直されれば、これまでテレビCMなどで耳にしていた「頭痛・生理痛に○○」といった宣伝文句が「頭痛に○○」でも良くなり、より幅広い層への使用を訴えることができるようになる。
運用解釈では、医薬品にカフェイン、ナトリウム、ステロイド、抗ヒスタミンなど、特定の成分を含有していない場合、その旨を広告で表記できるようにすることも検討している。
ただ、他者との比較広告や、ことさら安全性を強調するような表現については、「不可とする」方向だ。
このほか、公正競争規約に則り、「新発売」と表示できる期間をこれまでの「製品発売後6カ月」から「12カ月」に変更することや、日本語の読めない消費者に配慮し、製品名の「アルファベット併記」を可能とすること、目薬の本来の使用目的である「疲れ目」「充血」の改善ではなく、「眠気すっきり」「清涼感抜群」など、ことさら使用感を強調する広告は不可とすることも検討している。
厚労省は、5月末に予定している研究班の報告書の取りまとめを踏まえ、広告基準の改正案を策定。今夏をメドにパブリックコメントを実施し、9月中に改正基準を示す予定。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課は1980年に策定されて以来、35年以上にわたり改訂されていない一般用医薬品・指定医薬部外品の広告基準を見直すと発表しました。2017年9月中には改正基準が各都道府県へ通知される予定です。運用解釈の変更として、医薬品にカフェイン、ステロイドなど特定の成分を含有していない場合は、その旨を広告で表記できるようにすることも検討されているということです。