「スインプロイク」に有用性加算10%‐18品目を24日付で薬価収載
厚生労働省は24日付で、新薬8成分18品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬が5成分14品目、注射薬が2成分3品目、外用薬が1成分1品目。塩野義製薬のオピオイド誘発性便秘症治療薬「スインプロイク錠」に10%の有用性加算IIが適用された。17日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。
▽インチュニブ錠1mg、同3mg(塩野義製薬):グアンファシン塩酸塩を有効成分とする注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬。日本イーライリリーの「ストラテラカプセル」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、ストラテラカプセル40mgと同25mgの規格間比を用いて算定した。外国平均価格調整により引き下げた。
薬価は、1mg1錠が412.20円、3mg1錠が544.30円。予測市場規模は、ピーク時の6年目に患者数4万2000人、販売額63億円。
▽スインプロイク錠0.2mg(塩野義製薬):ナルデメジントシル酸塩を有効成分とするオピオイド誘発性便秘症治療薬。スキャンポファーマの「アミティーザカプセル」を比較薬に、類似薬効比較方式Iで算定した。
同剤は、既存の緩下薬で効果不十分な患者を含め、一定以上の便秘症状を有するオピオイド誘発性便秘症患者に有効性が認められていることから、10%の有用性加算IIの上乗せを適用した。
薬価は、0.2mg1錠が272.10円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数18万人、販売額26億円。
▽ニンラーロカプセル2.3mg、同3mg、同4mg(武田薬品):イキサゾミブクエン酸エステルを有効成分とする再発・難治性の多発性骨髄腫治療薬。小野薬品の「カイプロリス点滴静注」を比較薬として、類似薬効比較方式Iにより、カイプロリス点滴静注用40mgと同10mgの規格間比、アルケラン錠2mgと同静注用50mgの剤形間比を用いて算定。外国平均価格調整により引き上げた。
薬価は、2.3mg1カプセルが9万6519円、3mg1カプセルが12万3355.60円、4mg1カプセルが16万0886円。予測市場規模はピーク時の10年目に患者数2200人、販売額164億円。
▽ムンデシンカプセル100mg(ムンディファーマ):フォロデシン塩酸塩を有効成分とする再発・難治性の末梢性T細胞リンパ腫治療薬。協和発酵キリンの「ポテリジオ点滴静注」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、ラステットSカプセル25mg・ペプシドカプセル25mgとラステット注100mg/5mL・ペプシド注100mgの剤形間比を用い算定した。
薬価は、100mg1カプセルが2617.60円。予測市場規模はピーク時の5年目に患者数335人、販売額7億2000万円。
▽ナルラピド錠1mg、同2mg、同4mg、ナルサス錠2mg、同6mg、同12mg、同24mg(第一三共プロファーマ):ヒドロモルフォン塩酸塩を有効成分とする癌性疼痛の鎮痛薬。塩野義製薬の「オキシコンチン錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式IIにより、オキシコンチン錠40mgと同20mgの規格間比を用いて算定した。
薬価は、ナルラピドが1mg1錠110.60円、2mg1錠202.80円、4mg1錠371.90円、ナルサスが2mg1錠202.80円、6mg1錠530.20円、12mg1錠972.20円、24mg1錠1782.80円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数11万人、販売額44億円。
▽ステラーラ点滴静注130mg(ヤンセンファーマ):ウステキヌマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする活動期のクローン病治療薬。田辺三菱製薬の「レミケード点滴静注用」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより算定した。外国平均価格調整により引き上げた。
薬価は、130mg26mL1瓶が18万9612円。予測市場規模はピーク時の10年目に患者数843人、販売額4億3000万円。
▽ザルトラップ点滴静注100mg、同200mg(サノフィ):アフリベルセプトベータ(遺伝子組み換え)を有効成分とする進行再発の結腸・直腸癌治療薬。中外製薬の「アバスチン点滴静注用」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、アバスチン点滴静注用400mg/16mLと同100mg/4mLの規格間比を用いて算定。外国平均価格調整により引き下げた。
薬価は、100mg4mL1瓶が7万8614円、200mg8mL1瓶が15万3409円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に5900人、販売額73億円。
▽コムクロシャンプー0.05%(マルホ):クロベタゾールプロピオン酸エステルを有効成分とする頭部の尋常性乾癬用薬。グラクソ・スミスクラインの「デルモベートスカルプローション」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより算定した。外国平均価格調整により引き下げた。
薬価は、0.05%1gが28.20円。予測市場規模は、ピーク時の7年目に患者数3万8000人、販売額7億円。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2017年5月17日の中央社会保険医療協議会総会で、2017年5月24日付で新薬8成分18品目の薬価基準に収載することが了承されました。オピオイド誘発性便秘症治療薬「スインプロイク錠」に10%の有用性加算IIが適用されるなどの内容が予定されています。