【薬事日報調査】ウェバー氏が10億円突破‐薬業界役員報酬 1億円以上37人に増加
薬業界における2017年3月期決算の上場企業で1億円以上の報酬を得ている役員は、製薬企業・調剤薬局・ドラッグストアなどで22社37人に上ることが、本紙の調査で分かった。前年度の15社28人から大幅に増加した。そのうち外国人は3社7人と前年度と変わらなかったが、国内製薬大手のエーザイが最多の5人、武田薬品は4人が1億円以上の報酬を得ていた。最も多額の報酬を得ていたのは、武田薬品のクリストフ・ウェバー社長で10億4800万円と10億円を突破。次いで調剤薬局チェーン大手である日本調剤の三津原博社長が8億1300万円と突出していた(表参照)
日医工 田村氏も初の大台
本紙の調査では、トップのクリストフ・ウェバー氏は前年度から1億4300万円増え、10億円を突破した。次いで多額の報酬を得ていたのが日本調剤の三津原社長で、子会社の報酬分も含めて前年度から7700万円増え、総額で8億1300万円だった。
製薬企業では、トップのクリストフ・ウェバー社長に続き、同じ武田薬品のアンドリュー・プランプ取締役が4億2500万円、長谷川閑史前会長が4億0900万円と武田薬品の役員が上位を独占。次いで、医療機器企業であるテルモのデビッド・ペレス取締役が2億9900万円、アステラス製薬の畑中好彦社長が2億4500万円と前年度と同じ顔ぶれが並んだ。
また、第一三共の中山讓治会長が1億6300万円、塩野義製薬の手代木功社長が1億6200万円、エーザイの内藤晴夫社長が1億4500万円、大正製薬ホールディングの上原明社長が1億2000万円、科研製薬の大沼哲夫社長が1億1000万円、参天製薬の黒川明社長が1億0700万円と、準大手や中堅企業からも1億円プレイヤーが出ている。
さらに、ジェネリック医薬品企業から日医工の田村友一社長が1億2800万円と初めて1億円を突破。ドラッグストアからはマツモトキヨシホールディングスの松本南海雄会長が2億3200万円、サンドラッグの才津達郎会長が1億3100万円となった。
例年と同様、大手製薬企業や外国人役員、創業家筋の役員が多かったが、2億円以上の高額報酬を得ていた役員は減少する傾向にあった。本紙は、薬業界の17年3月期決算の上場企業のうち、製薬企業や調剤薬局、ドラッグストアなどの有価証券報告書を調査した。製薬兼業企業は対象に含めていない。
一方、3月期決算以外の企業では、16年12月期決算の中外製薬永山治会長が3億8000万円、小坂達朗社長が1億3800万円、上野幹夫副会長が1億2300万円、同期決算の大塚ホールディングス樋口達夫社長が2億8400万円、大塚一郎会長が2億4100万円、アース製薬川端克宜社長が1億5000万円、16年2月期決算の久光製薬中冨博隆会長が1億8100万円、16年5月期決算のツルハホールディングスの鶴羽樹会長が1億1400万円だった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬業界の役員報酬を薬事日報が調査しました。今年の3月期決算の上場企業で1億円以上の報酬を得ている役員は、製薬会社・調剤薬局・ドラッグストアなどで22社37人に上りました。前年度の15社28人から大幅に増加です。
最も多額の役員報酬を得ていたのは、武田薬品のクリストフ・ウェバー社長で10億4800万円と10億円を突破。次いで調剤薬局チェーン大手である日本調剤の三津原博社長が8億1300万円でした。