薬剤師就職の実態。就職しなかった薬剤師は16%
4月入社で転職・就職した人にとって、春は新生活がスタートする慌ただしい季節。就職できた人・できなかった人の人数を過去5年で比較してみると――
「就職しながった人」が微増傾向にあることがわかりました。
2014年は「就職した人」は7,516名で全体の88%。「就職しなかった人」は1,019名で全体の12%でした。
2018年は「就職した人」は8,043名で全体の84%、就職しなかった者は1,536名で16%、おおよそ6~7人に1人が就職していない計算になります。
最も就職しなかった人が多かったのは、2017年の1755人で18.5%、5~6人に1人が就職していない計算となります。
◆「就職しなかった人」が一番多いのは2017年の1700人超
※2014年~2018年「一般社団法人薬学教育協議会「6年制学科卒業生調査結果」より。
「就職しなかった人」の進路は、2014年は246人で全体の2.9%の人が進学となっています。
平成27年は170人、平成28年は188人、平成29年は191人、平成30年では140人となっており、全体の2%前後の人が進学を選んでいます。
男女別では、男女ともそれぞれ約8割が就職していますが、女性のほうが「就職した人」の割合が若干多く、進学した人は男性のほうがやや多い傾向となっています。
◆就職先で一番多いのは薬局の36%
薬剤師の就職先として最も多いのが薬局で、次に病院、企業、ドラッグストアと続きます。
医療機関へ就職している薬剤師が減少傾向にあり、研修施設や企業に就職する人は増えています。
薬局に就職した人の割合は、36%前後で増加傾向。ドラッグストアに就職した人が2017年から8%台となり前年の約2倍に増加しています。
◆就職先は薬局とドラッグストアが増加傾向
※2014年~2018年「一般社団法人薬学教育協議会「6年制学科卒業生就職状況」より。
◆薬剤師の転職・就職の今後は?
薬剤師の数が増え続ける一方で、これまで右肩上がりに増えてきたドラッグストアやM&Aなどが進む調剤薬局は、今後緩やか減少していくことが予測されます。
首都圏では薬剤師が充足傾向にありますが、まだまだ地方の調剤薬局やドラッグストアでは薬剤師が不足している状況にあります。
就職先や転職先が決まっていないという人は、地方の薬局や病院、ドラッグストアなどエリアを拡大して探してみると、採用の確立が高まるかもしれません。
薬剤師は慢性的に不足してはいますが、資格さえあればどこでもいつでも高条件で働ける状況ではなくなりつつあります。
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文/ライター前田朋・薬読編集部
薬+読 編集部からのコメント
薬剤師として就職し、春から新生活がスタート。晴れて就職できた人の一方で、就職しなかった、就職できなかった人も…。
薬学教育協議会のデータから、薬剤師として就職した人・しなかった人についてレポートします。