薬剤師都道府県年収1位は奈良県|マイナビ薬剤師の決定年収より高い?低い?
都道府県によって年収はどのくらい差があるの? 一番年収が高いのはどの県? 調査レポートから薬剤師にとって気になる現象を調査する本コラム。
連載第1回は、薬剤師の年収について都道府県別に調査。薬剤師の給料や時給は地域によって差があるのか確認してみましょう。
◆2018年都道府県別 薬剤師年収ランキング
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(平成29年度)の結果をもとに、都道府県別に薬剤師の年収を計算し、ランキング表にまとめました。
全国1位は奈良県の777万円で、2位は静岡県の685万円、3位は青森県の671万円、最下位は三重県で438万円でした。
ちなみに、ボーナスが一番高いのは富山県の138万円でした。
►薬剤師年収全国平均は544万 1位は奈良777万
都道府県 | 年収(万円) | 給与(万円) | 年間賞与(万円) | |
---|---|---|---|---|
全国平均 | 544 | 38.8 | 77.9 | |
1位 | 奈良 | 777 | 59.4 | 64 |
2位 | 静岡 | 685 | 48.2 | 106 |
3位 | 青森 | 671 | 46.7 | 110.6 |
4位 | 栃木 | 656 | 44.3 | 123.6 |
5位 | 島根 | 648 | 43.8 | 123.2 |
6位 | 鹿児島 | 627 | 46.5 | 69.8 |
7位 | 愛媛 | 624 | 41.8 | 121.8 |
8位 | 広島 | 593 | 39.1 | 124.1 |
9位 | 兵庫 | 575 | 40.1 | 93.3 |
10位 | 東京 | 571 | 40.7 | 82.6 |
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►11位~6位まで 注目は富山の高額ボーナス
都道府県 | 年収(万円) | 給与(万円) | 年間賞与(万円) | |
---|---|---|---|---|
11位 | 大分 | 570 | 38.7 | 105.5 |
12位 | 山口 | 560 | 36.8 | 118.6 |
13位 | 群馬 | 549 | 39.6 | 74.3 |
14位 | 秋田 | 548 | 36.3 | 113 |
15位 | 長野 | 545 | 37.8 | 91.5 |
16位 | 高知 | 544 | 35.3 | 120.3 |
17位 | 長崎 | 537 | 38.7 | 72.5 |
18位 | 福井 | 535 | 35 | 114.5 |
19位 | 埼玉 | 534 | 40 | 54.4 |
20位 | 神奈川 | 533 | 38.7 | 69.3 |
21位 | 愛知 | 533 | 38.2 | 74.7 |
22位 | 福岡 | 532 | 38 | 76.4 |
23位 | 岐阜 | 531 | 38.8 | 65.6 |
24位 | 和歌山 | 531 | 38.9 | 64.6 |
25位 | 福島 | 530 | 36.8 | 87.6 |
26位 | 茨城 | 524 | 36.8 | 82.5 |
27位 | 岩手 | 522 | 39.2 | 51.6 |
28位 | 千葉 | 519 | 38.4 | 58.2 |
29位 | 佐賀 | 519 | 37.9 | 64.3 |
30位 | 北海道 | 518 | 36.4 | 81.4 |
31位 | 熊本 | 513 | 36.4 | 76.7 |
32位 | 香川 | 511 | 36.5 | 72.4 |
33位 | 大阪 | 510 | 35.5 | 83.8 |
34位 | 山梨 | 510 | 39.3 | 37.7 |
35位 | 沖縄 | 507 | 38.4 | 46.7 |
36位 | 富山 | 503 | 30.4 | 138.4 |
37位 | 鳥取 | 500 | 33 | 103.9 |
►ワースト10 最下位は三重の438万円
都道府県 | 年収(万円) | 給与(万円) | 年間賞与(万円) | |
---|---|---|---|---|
38位 | 山形 | 498 | 31.6 | 118.4 |
39位 | 岡山 | 492 | 33.2 | 93.2 |
40位 | 宮崎 | 490 | 37.2 | 44.2 |
41位 | 滋賀 | 487 | 34.2 | 77 |
42位 | 京都 | 484 | 35.5 | 58.7 |
43位 | 新潟 | 481 | 32.8 | 87.7 |
44位 | 徳島 | 479 | 34.1 | 69.6 |
45位 | 石川 | 478 | 30.9 | 106.6 |
46位 | 宮城 | 471 | 31.4 | 93.9 |
47位 | 三重 | 438 | 31.5 | 59.3 |
◆薬剤師の年収が都道府県で異なる理由①残業代
都道府県別の薬剤師の年収ランキングは、1位が「奈良県」の約777万円、2位が「静岡県」の約685万円、3位が「青森県」の671万円でした。全国平均が約544万円ですので、これを大きく上回っています。一方、少なかったのは「石川県」の約478万円、「宮城県」の約471 万円、「三重県」の約438万円などでした。
データを見る限り、薬剤師の年収は、多い都道府県と少ない都道府県で約300万円の開きがありました。これについてはサンプルに違いがあるため、単純に比較はできませんが、地域によって年収に大きな差が出ているようです。
その要因の一つと考えられるのは、1カ月当たりの残業時間です。
年収が上位にランクインした都道府県の1カ月当たりの残業時間は、奈良県が16時間、静岡県が24時間、青森県が12時間と、全国平均の10時間を上回っています。ただし、三重県は1カ月当たりの残業時間は15時間と、全国平均を上回っていますが、年収は最下位。必ずしも残業時間だけの要因ではなさそうです。
◆薬剤師の年収が都道府県で異なる理由②薬剤師人口
都道府県別のデータを見ると、人口10万人当たりの届出薬剤師数が最も多かったのは「東京都」の358.3人、最も少なかったのは「沖縄県」の150.9人で、多い都道府県と少ない都道府県で約2倍の差がありました。
青森県は人口10万人当たりの登録薬剤師の数が全国平均を大きく下回り、沖縄県に次いで少なくなっています。そのため、青森県の薬剤師は、薬剤師不足により他の都道府県よりも良い条件で働いていると考えることができそうです。
◆マイナビ薬剤師で転職した人の都道府県別年収を比較
マイナビ薬剤師で転職をした人の決定年収をいくつかピックアップしてみると、全国データほどの開きはありませんでしたが、青森県が高い傾向にありました。
青森県 643万
奈良県 502万
東京都 496万
静岡県 503万
三重県 486万
年収が高い都道府県の理由を考えてみると…
・薬剤師の需要に対して薬剤師数が不足している
・個人薬局の割合が高く、経営者比率が高く年収が高い
・1店舗あたりの薬剤師が少なく、薬剤師の管理職割合が高い
・正社員比率が高い
・診療報酬が高い在宅医療が普及しているエリア
などの理由が挙げられますが、全国版のデータほど年収の開きは見られませんでした。
年収の1位と最下位では200万円以上の開きがあり、首都圏が高いわけではありません。転職で年収アップを目指すなら、都道府県別年収ランキングもひとつの目安となるでしょう。
マイナビ薬剤師では、県外への転職成功事例も多数あります。現在の給与に不満を感じているなら、一度キャリアドバイザーに相談してみませんか?
取材・文/斉藤勇(ファイナンシャルプランナー)・薬読編集部
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