普段の調剤業務を効率化し、時短したいと思う薬剤師も多いはず。なかでも、手間がかかるのが散剤や液剤といった計量を必要とする業務です。作業を手早く行うために使ってみたくなる便利グッズをご紹介します。
散剤に使いたい袋キャップ
調剤に使う散剤の製品は多くの場合、分包品と大袋が用意されています。たとえば、同じ散剤でも1g×100包が1パックになったものと、100g×1袋になったものがあり、調剤にかかる手間は大きく異なります。分包品は1包の内容量が決まっていることから、計量調剤する必要はほとんどないため、基本的に計量調剤の際は大袋品を使い、必要量を計量して分包機で分包することになります。
この分包作業で、面倒に感じてしまうのが大袋の封でしょう。四隅のひとつを切り、そこを口として使っていても、切り口が安定せず調剤時に散剤がこぼれることもしばしば。そうした不便さを解決してくれるのが「フタックル」です。
どんな袋にでもフタをつけられる商品で、これまでのように輪ゴムやクリップで留める必要がありません。使用する際には、挟み込む袋の切り口をきちんと収めて、すき間ができないように注意するのがポイントです。フタックルを装着した散剤の大袋は、そのまま容器のように使えますから、調剤時に散剤をまき散らすこともありません。使い終わったら、上ブタをきっちりと閉めるだけ。今までのように切り口から散剤が漏れる心配もありません。
分包が楽になる散剤混和器
調剤で、複数の薬を混ぜる際に、多くのところでは自動散剤分包機を使用しています。自動で分包されるのは便利なものの、複数の散剤を重ねてまくときに時間がかかってしまうのが難点。散剤をまく時間をできるだけ短縮するなら、便利グッズの散剤混和器「ふりまぜ君」を使ってみましょう。
ふりまぜ君は片手で持てるサイズの容器で、本体重量は168gと軽量。上下に分かれ、上部と下部の間には中アミが設置されています。また下部にはセラミックボールが4つ入っていて、このボールが混和させたい散剤をムラなく混ぜてくれる仕掛けです。
使用方法は簡単で、混和する散剤をふりまぜ君のなかに入れ、中アミをきっちりとロックするまで回します。ふりまぜ君の上部を閉め、上下を逆さまにするように振ります。
散剤がムラなく混和されたものを取り出せば完了。そのまま自動分包機のなかに流し込みましょう。
使用するにあたり注意する点は、容器本体がポリカーボネート製なので、アルコール・ベンジン等の有機溶剤でふくなどすると破損のおそれがあります。水洗いは可能です。
ふりまぜ君を使えば、約150gまでの混和が可能で、乳鉢を使って混和していたときの時間と比較テストをした結果、およそ4分の1の時間で混和が完了できました(乳鉢使用:20秒、ふりまぜ君使用:5秒)。
液剤、散剤棚にはってはがせるジェルシール
調剤の際に、液剤や散剤が保存された棚の前を、処方箋を持ってうろうろ……薬剤師の定番業務ともいえる作業です。整理するために薬剤を棚に並べるのは仕方がないとしても、片手に持っている処方箋が邪魔に感じたり、いちいちセロテープやクリップなどで棚に留めたりする人もいるのではないでしょうか。そうでなくても、調剤台の上に置いた処方箋を見返すたびに肩がこったり、床に落としてしまったりして、不便を感じる方も多いことでしょう。
「もっと簡単に処方箋を棚にはったり、外したりしたい!」という願いをかなえてくれるのが「両面吸着ジェルSP4003GEL」です。この商品は両面が吸着ジェルになっていて、処方箋や小物等を壁やボードに簡単にはったりはがしたりできるものです。はがした跡も残りません。さらに両面が汚れた場合には水洗いして、自然乾燥させると繰り返し使えます。
40×40×3㎜のジェルシートが6枚セットになっているので、各薬剤棚にはり付けて、処方箋留め位置を決めておくと、調剤時の動きが整理できてより時短につながります。
使用上の注意として、はり付ける壁面に凸凹がある、あるいは防汚コーティングが施してある場合、十分な吸着力が出ませんので、事前に確認が必要です。
作業の合理化が正確さとスピードを左右する
調剤で注力したいのが、正確さとスピード。そのためにはちょっとした不便や手間を省くことはとても大切です。合理的な作業ができると間違いもストレスも軽減できます。それは薬剤師本人にとっては重要なことですし、さらに、待合室で長時間待たされる患者さんのストレスを解消することにもつながります。時短便利グッズをうまく活用して、快適な作業環境をつくりましょう。
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