- 1.薬剤師に向いている人とは?
- 1-1.薬剤師に向いている人の3つの特徴
- 1-2.職場によって求められる能力やスキルが違う
- 2.病院薬剤師に向いている人とは?
- 2-1.病院薬剤師に必要な能力やスキル
- 2-2.病院薬剤師に向いている人の特徴
- 3.薬局薬剤師に向いている人とは?
- 3-1.薬局薬剤師に必要な能力やスキル
- 3-2.薬局薬剤師に向いている人の特徴
- 4.ドラッグストア薬剤師に向いている人とは?
- 4-1.ドラッグストア薬剤師に必要な能力やスキル
- 4-2.ドラッグストア薬剤師に向いている人の特徴 5.MRに向いている人とは?
- 5-1.MRに必要な能力やスキル
- 5-2. MRに向いている人の特徴
- 6.薬剤師として自分らしく働きやすい職場を見つけよう
1.薬剤師に向いている人とは?
これまでに多くの薬剤師と働いてきた筆者から見ると、患者さんや同僚から薬剤師として信頼されている人には共通点がありました。もともと素質を持った人もいれば、薬剤師として仕事をするうちに徐々に身についた人もいます。ここでは、薬剤師に向いている人によく見られる3つの特徴を見ていきましょう。
1-1.薬剤師に向いている人の3つの特徴
薬剤師は医療従事者であると同時に、サービス業という側面も持っています。薬剤師に向いている人に多い3つの特徴が、自分にも当てはまるかチェックしてみてくださいね。
1-1-1.几帳面な性格の人
薬剤師の仕事は正確性が求められるため、几帳面な性格の人に向いています。例えば、水剤の調剤をする時には0.1ml単位、散剤の調剤の際は0.1mg単位の調整が必要です。
病院や薬局では、劇薬や毒薬、麻薬や向精神薬を毎日取り扱っています。わずかな誤差が患者さんの体調に直結するため、繊細な作業が要求されます。細かいところまで丁寧に仕事ができる人は、安心して業務を任せられる薬剤師と言えます。
1-1-2.聞き上手な人
信頼されている薬剤師の多くは、相手の話をしっかり聞いて言葉を返せる「聞き上手」です。患者さんをはじめ、医師や看護師などと話す機会がありますが、相手の話をじっくりと聞く姿勢は薬剤師に不可欠です。
患者さんへの服薬指導では薬の特徴や飲み方を一方的に伝えるのではなく、相手の不安や疑問をくみ取ることが求められます。情報を正確に理解できる力は、ミスを防ぐために欠かせない能力だと言えるでしょう。
1-1-3.勉強好きな人
多くの製薬会社から毎月のように新薬が発売されています。また、日々発表される既存薬の適応追加や副作用情報のチェックも重要な業務です。薬剤師は情報のアップデートが欠かせない職種のため、業務外の時間に勉強をすることも少なくありません。
さらに、認定薬剤師の取得となると数十時間に及ぶ講義を聞くこともあります。新しい知識の吸収が好きな人は薬剤師に向いていると言えます。
1-2.職場によって求められる能力やスキルが違う
薬剤師に向いている3つの特徴を紹介しましたが、一口に薬剤師と言っても働く環境はさまざまです。
現在、多くの薬剤師が働いている勤務先には病院・調剤薬局・ドラッグストア・製薬企業などがあり、自分に合った勤務先を見つけるためには、それぞれの場所でどんな人材が求められているかを知るのが重要です。
各職場の特徴をもとに、どんな性格の人がどのような職場に向いているのかを見てみましょう。
2.病院薬剤師に向いている人とは?
病院薬剤師は、医療機関におけるチーム医療の一員として患者さんの治療に携わります。薬剤師として培ってきた専門的な知識をフルに生かせる仕事です。
ここでは医療の最前線に立つ病院薬剤師に向いている人についてお伝えします。
2-1.病院薬剤師に必要な能力やスキル
入院・外来患者への調剤や服薬指導をはじめ、院内製剤の調整や治験など幅広い業務を行っているのが病院薬剤師です。重症や急性期、難病などの症例に関わる機会が多く、深い薬学知識が求められます。
また、ほかの医療スタッフとも密に仕事を行うため、コミュニケーション能力も必要です。
🔽 病院薬剤師の仕事について解説した記事はこちら
2-2.病院薬剤師に向いている人の特徴
チーム医療の一員として患者さんの治療に携わりたいと思う人は、病院薬剤師に向いています。
また、医療の最先端で活躍する病院薬剤師は、日々新たな知識の習得が欠かせません。病院薬剤師は夜勤・当直・休日出勤もあるハードな勤務形態ですが、忙しい中でも自己勉強を怠らない人が病院薬剤師に向いているでしょう。
さらに、ほかの医療スタッフと連携できるコミュニケーション能力も重要です。職種が違えば意見や立場も変わります。相手の立場も踏まえてやり取りができる人は、チーム医療の中でもスムーズに薬剤師の職能を発揮できるでしょう。
3.薬局薬剤師に向いている人とは?
医薬分業率の増加を背景に、薬局薬剤師の数は1994年から2022年までに3倍以上に増えています。厚生労働省の資料によると、2022年12月末の時点で19万人以上の薬剤師が薬局に従事しています。
参照:統計表4 医療施設従事医師・歯科医師数及び薬局・医療施設従事薬剤師数の年次推移, 施設・業務の種別・年齢階級・性別|厚生労働省
参照:令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況|厚生労働省
多くの薬剤師が勤務している調剤薬局での仕事内容や、これからの地域の薬剤師に求められるポイントについて見ていきましょう。
3-1.薬局薬剤師に必要な能力やスキル
薬局薬剤師は、調剤薬局において処方箋調剤や服薬指導、在宅医療のほか、地域の方の健康相談への対応を行っています。
また、厚生労働省は2015年に「患者のための薬局ビジョン」を策定しました。これからの薬局薬剤師は、地域の人々の健康サポーターという一面だけでなく、より高度な薬学的管理を求められています。
参照:「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~ を策定しました|厚生労働省
🔽 薬局薬剤師の仕事について解説した記事はこちら
3-2.薬局薬剤師に向いている人の特徴
薬局薬剤師に向いているのは、かかりつけ薬剤師や地域の薬剤師として患者さん一人一人のトータルケアに携わりたい人です。
地域や患者さんとは長い付き合いになることもあり、投薬の際には薬の説明だけでなく患者さんの家族や趣味の話をするシーンも多くあります。このような世間話を無駄と思わず、一緒に会話を楽しめる人は薬局薬剤師に向いているでしょう。さらに、会話のなかから患者さんの体調や悩みをピックアップし、QOL向上のために改善案を提案する力も大切です。
そのほかにも、スピーディーに仕事をこなせる人は調剤薬局で重宝されます。処方箋を受け取ってからのスムーズな調剤、監査、投薬は薬局薬剤師に強く求められているポイントです。忙しい時に無駄のない動きで処方箋をさばける人は、同僚たちにとっても心強いでしょう。
また、多くの場合、薬局薬剤師は限られた空間で毎日同じ顔ぶれで過ごします。同僚とうまくコミュニケーションを取ることも、薬局薬剤師にとって大切なスキルのひとつです。
4.ドラッグストア薬剤師に向いている人とは?
ドラッグストアは、近年ますます市場が拡大し続けている業界です。多くの人にとって、ドラッグストアは健康情報へアクセスできる最も身近な場所となっています。
参照:商業動態統計確報(2024年1月分)|経済産業省
ここでは地域の人が気軽に健康相談できるドラッグストア薬剤師についてまとめました。
4-1.ドラッグストア薬剤師に必要な能力やスキル
ドラッグストア薬剤師は、調剤室での調剤業務のほか、OTC医薬品などを通じて地域の人々の健康や快適な生活をサポートします。
お客さんのセルフメディケーションを手助けすることも大切な仕事のひとつです。症状や体質、生活背景に合った商品を提案するためには、数多く発売されているOTC医薬品、サプリメント、健康食品の幅広い知識が必要とされます。
🔽 ドラッグストア薬剤師の仕事について解説した記事はこちら
4-2.ドラッグストア薬剤師に向いている人の特徴
ドラッグストア薬剤師は、医師の処方箋がなくても店内にある商品でお客さんの悩みを解決するという役割があります。自分が有する薬や健康の知識で、お客さんの不調を解決したい人にぴったりでしょう。場合によっては、適切な医療機関への受診を勧めることもあります。そのため、セルフメディケーションで対処すべきかどうかを見極める力が求められます。
また、販売や経営に興味がある人もドラッグストア勤務に向いていると言えます。どんな商品の売れ行きがいいか、最適な商品配置はどうすべきかなど、売上アップのために工夫をこらすことも厭わない人はドラッグストア薬剤師として活躍できるでしょう。
5.MRに向いている人とは?
MR(Medical Representative:医薬情報担当者)は薬剤師免許がなくても働けるため、さまざまな経歴の人がその職に就いている現状があります。
しかし、多くの製薬企業では薬学知識をベースに持つ薬学生や薬剤師も積極的に採用したいと考えています。ここでは、薬剤師の働き方のひとつであるMRについて見ていきましょう。
5-1.MRに必要な能力やスキル
MRは、医師や薬剤師をはじめとする医療従事者に向けて、自社の薬についての説明・案内をするのが主な仕事です。薬剤師免許を持っている場合は、営業所などの管理薬剤師を兼任することもあります。
自社製品の情報だけでなく、競合製品の特徴や製品の適応となる病気についても知っておく必要があるため、MRも勉強が欠かせません。また、営業職であるため売上達成のための計画力・分析力も重要です。
🔽 MRの仕事について解説した記事はこちら
5-2.MRに向いている人の特徴
実力主義で仕事をしたい人は、MRに向いていると言えます。MRは売上ノルマが課せられるなど、シビアな一面もあります。一方で、営業成績が年収に反映されやすいため、自分の力を試したい人にはぴったりでしょう。
また、物事を論理的に考えられる力もMRには不可欠です。売上達成のためのプランを綿密に立て、トラブルが起こっても冷静に対応できる力が求められます。
さらに、人付き合いがうまい人もMRに向いているでしょう。忙しい医師相手の仕事なので、話を簡潔にまとめて伝えるコミュニケーション能力が必要です。
6.薬剤師として自分らしく働きやすい職場を見つけよう
薬剤師の働く場所は多種多様であり、職場によって求められるポイントも変わります。ただし、どこで働くとしても勉強を続けられる人、円滑にコミュニケーションを取れる人、丁寧に仕事を行える人は「薬剤師に向いている人」と言えます。転職や就職の際は、自身の性格やライフスタイルを振り返って、「薬剤師」として自分らしく働ける勤務先を見つけましょう。
🔽 「薬剤師に向いていない」と感じたときの対処法を解説した記事はこちら
薬剤師。3人兄弟のママ。大学院卒業後、地域密着型の調剤薬局に勤務。大学病院門前をはじめ、内科・婦人科・皮膚科・心療内科・皮膚科門前などで多くの経験を積む。15年の薬剤師歴ののち独立して薬剤師ライターへ。健康や医療、美容に関する記事を執筆。休日は温泉ドライブや着物でのおでかけが楽しみ。
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