薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2014.07.09 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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薬局内ではしゃぐ子どもへの注意
薬局内ではしゃぐ子どもへの注意

薬局内ではしゃぐ子どもに困っています。治療が終わって安心したのか、とにかく元気で、いすに上ったり、狭い薬局内をぐるぐると走りまわります。ほかの患者さんにも迷惑がかかるので注意したいのですが、どう注意するのが好ましいでしょうか。

Answer
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おもちゃや絵本など、子ども対策をしておく

これは子どもの年齢や保護者の対応などでも違ってきますから、一概に「こうすればいい」と言い切ることができない難しい質問ですね。
小児科や耳鼻咽喉科など、普段から子どもがよく来る薬局では、プレイルームやおもちゃ、絵本などが充実していて対策がしっかりとられているため、質問のような悩みは比較的少ないようです。しかし、たとえ子どもの患者さんが少なくても、保護者が病気で診察に連れてくる可能性があります。そう考えると、いずれの薬局も子どもがくる可能性があると判断して、最低限の絵本やシールなどのアイテムは用意しておくといいでしょう。製薬会社が用意する販促用のグッズなどを活用してもいいですね。
子どもが来て困ったときにはどうすればいいか、あらかじめスタッフ同士で対応策を話し合っておくのもいいと思います。

注意をするときは言い方を考えて。 保護者にも「お願い」をする

絵本やおもちゃには見向きもせず走りまわっているときは、注意をして止めなければいけません。その際は大人に接するのと同様、言い方を考える必要があります。「走りまわったらダメ!」と頭ごなしに叱るのは避けたいですね。子どもが反抗してますます暴れる可能性も高いですし、何より聞いているまわりの大人も、あまり気持ちがいいものではありません。
子どもの年齢にもよりますが、言葉を理解できるような年齢であれば、まずは「元気いいね」、「もう体調はよくなったの?」と笑顔で声をかけましょう。そのうえで、「でも薬局には具合が悪い患者さんが多いから、静かにしようね」と優しく諭すように言い聞かせます。「この本、おもしろいから読んでみない?」とほかに興味をそらせるのも有効でしょう。保護者がいるなら、保護者の方にも「注意」ではなく、「お願い」をします。ポイントは子どもに対しても保護者に対しても、命令口調ではなく穏やかにお願いをすることです。
なかなか難しいケースだと思いますが、ほかの患者さんにぶつかるなどという事故を防ぐことはもちろん、患者さん同士でトラブルになる可能性もありますので、「そのうち大人しくなるだろう」と待つより早めに対処することが大切です。
注意ではなく、“お願い”をしましょう。絵本やシールで子どもの興味をそらせるのもマル!
注意ではなく、“お願い”をしましょう。絵本やシールで子どもの興味をそらせるのもマル!

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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