最近「雑誌で身体に悪いと書いてあるから飲みたくない」と、薬に抵抗を示す患者さんがいます。以前は医師からの指示だと言うと気に入らない薬が処方された場合でも、だいたいの患者さんは薬を飲んでくれたのですが…。どう対応したらいいでしょうか?
いきなり否定せず共感を示して
週刊誌に限らず、テレビやインターネット上にも医療や健康にまつわる情報が氾濫していますので、このような患者さんはどの薬局でも増えていると思います。
雑誌等で病気に関する情報を集めるのは決して悪いことではありませんが、患者さんは自分に都合のいいように解釈してしまい、真実や全体が見えていない場合も多いようです。
今回のケースでは、黙って飲まずにいれば済むことをわざわざ薬剤師に「飲みたくない」と言ってくれるのですから、指導の機会を得られて良かったと考えることもできます。
ここでまず気を付けたいのは、患者さんの話をいきなり否定しないこと。
薬剤師ならすぐに「問題なし」「解釈が間違っている」などと判断できるかもしれませんが、「それは間違った情報です」と頭ごなしに否定してしまうと、患者さんは自分自身を否定されたような気持ちになるかもしれません。
薬剤師側の都合で一方的に「問題ないので飲み続けてください」と説明するのではなく、
「雑誌の記事をご覧になったんですね」
「身体に悪いと書いてあれば心配になりますよね」
などと共感を示して、まずは患者さんの気持ちをしっかり受けとめましょう。
「また雑誌の話題か…」というような気持ちが表情や態度、声のトーンなどに出てしまうと、患者さんの機嫌を損ねてその後の説明を聞いてくれなくなる可能性もあるため十分気を付けましょう。
雑誌等で病気に関する情報を集めるのは決して悪いことではありませんが、患者さんは自分に都合のいいように解釈してしまい、真実や全体が見えていない場合も多いようです。
今回のケースでは、黙って飲まずにいれば済むことをわざわざ薬剤師に「飲みたくない」と言ってくれるのですから、指導の機会を得られて良かったと考えることもできます。
ここでまず気を付けたいのは、患者さんの話をいきなり否定しないこと。
薬剤師ならすぐに「問題なし」「解釈が間違っている」などと判断できるかもしれませんが、「それは間違った情報です」と頭ごなしに否定してしまうと、患者さんは自分自身を否定されたような気持ちになるかもしれません。
薬剤師側の都合で一方的に「問題ないので飲み続けてください」と説明するのではなく、
「雑誌の記事をご覧になったんですね」
「身体に悪いと書いてあれば心配になりますよね」
などと共感を示して、まずは患者さんの気持ちをしっかり受けとめましょう。
「また雑誌の話題か…」というような気持ちが表情や態度、声のトーンなどに出てしまうと、患者さんの機嫌を損ねてその後の説明を聞いてくれなくなる可能性もあるため十分気を付けましょう。
信頼関係を築くと不安が弱まる
次に、特定の医薬品に抵抗するということについては、薬に対する不安や副作用への恐怖といった嫌がる理由があるのはもちろんですが、医師や薬剤師への信頼が薄いことも背景にあるのではないでしょうか。
心から信頼していれば、「雑誌にこんなことが書いてあったけど、〇〇先生の処方だから心配ない」「このまま飲み続けても大丈夫ですよね」などと確認のための相談をしてくれるはずです。ところがいきなり「飲みたくない」と言ってくる。医師や薬剤師より、雑誌の記事の方が格上と見られているわけです。
今回のような質問を受けた場合、患者さんの話をじっくり聞くことがとても大切です。
私たちは「この人は自分の話を真剣に聞いてくれる」と感じると、相手に信頼を寄せるようになります。
雑誌に「危険」と書かれていても、その内容はさまざま。親身になって話を聞いてくれた上に、自分のために調べたり答えたりしてくれる、と分かれば、雑誌の記事より目の前の薬剤師の方が信頼できると感じるようになるでしょう。
一度抱いた不安感や不信感は、簡単には消えません。言葉の裏に隠された気持ちも推察して、納得するまで根気強く話を聞き説明を重ねていくことで、患者さんは「この人の話は信じられる」「相談してよかった」と安心するのです。
その上で「雑誌の情報は一般的なものなので、当てはまらない人もいます」「薬の専門家として、一人ひとりの患者さんの症状や併用薬、生活環境など踏まえた上で、あなたのために個別のアドバイスをしています」と自信をもって伝えましょう。
説明の後は「気になることがあれば、いつでも相談してください」などのプラスアルファの言葉で、患者さんに寄り添う姿勢をしっかりアピールしましょう。
心から信頼していれば、「雑誌にこんなことが書いてあったけど、〇〇先生の処方だから心配ない」「このまま飲み続けても大丈夫ですよね」などと確認のための相談をしてくれるはずです。ところがいきなり「飲みたくない」と言ってくる。医師や薬剤師より、雑誌の記事の方が格上と見られているわけです。
今回のような質問を受けた場合、患者さんの話をじっくり聞くことがとても大切です。
私たちは「この人は自分の話を真剣に聞いてくれる」と感じると、相手に信頼を寄せるようになります。
雑誌に「危険」と書かれていても、その内容はさまざま。親身になって話を聞いてくれた上に、自分のために調べたり答えたりしてくれる、と分かれば、雑誌の記事より目の前の薬剤師の方が信頼できると感じるようになるでしょう。
一度抱いた不安感や不信感は、簡単には消えません。言葉の裏に隠された気持ちも推察して、納得するまで根気強く話を聞き説明を重ねていくことで、患者さんは「この人の話は信じられる」「相談してよかった」と安心するのです。
その上で「雑誌の情報は一般的なものなので、当てはまらない人もいます」「薬の専門家として、一人ひとりの患者さんの症状や併用薬、生活環境など踏まえた上で、あなたのために個別のアドバイスをしています」と自信をもって伝えましょう。
説明の後は「気になることがあれば、いつでも相談してください」などのプラスアルファの言葉で、患者さんに寄り添う姿勢をしっかりアピールしましょう。
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
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