その日の仕事がちゃんとできていれば、定時で帰ってもいい
「残業しなければならないのか」という質問について、一つはっきり言えることは、その日に終えるべき自分の仕事はちゃんとできたかを振り返ってほしいということです。社会人として、自分の仕事に責任を持つのは当然のことです。自分がやるべきことや、自分にまかされた仕事を確実に終えることができていたら、堂々と定時で上がっていいと思います。
一方、自分の仕事をやり残しているにもかかわらず、「定時で上がりたい」というのは、厳しいかもしれませんが、ちょっと虫が良すぎるのではないでしょうか。
与えられた業務が時間内にこなせない場合、仕事の進め方に問題があるかもしれません。その場合は決して一人で抱え込まずに、早めに上司に相談しましょう。残業が必要な仕事なのか、翌日でも間に合うのかなど、新人では判断できないこともあるでしょうから、参考になるアドバイスをもらえると思います。
そして、ひとつ覚えておいてほしいことがあります。自分の仕事を早く終わらせられるのも、周囲の支えがあるからこそ、ということです。「同期より早く終わった」「自分は仕事が早い」と思っていても、実は先輩やチームの方々が見えないところでフォローしてくれていた、ということも少なくありません。今はまず自分の仕事に集中して、仕事に慣れてきたら周囲をサポートするという視野も持ってほしいと思います。
日頃から熱意を持って仕事をし、帰るときは堂々と
どう伝えるかを考える前にまず意識してほしいのは、日頃から仕事への熱意を見せることです。真剣かつ誠実に業務に取り組む姿勢を見せていれば、周囲の先輩たちは感心して頼もしく思うはずです。そのうえ業務時間内にきっちりとやるべきことを終えていれば、先輩たちより早く帰宅する際にも気持ちよく「お疲れ様でした」と送り出してくれるでしょう。
薬剤師の仕事は、患者さんの命を預かる大切な仕事です。いつどんなときも患者さんを思って全力で業務に臨むことが、定時で気持ちよく帰る前提になると思います。
「どうしても週末は定時で帰りたい」という場合のアドバイスとしては、事前に上司や先輩に声をかけておくことをおすすめします。当日や前日ではなく、できれば余裕をもって相談しましょう。「プライベートなことは言いたくない」と思うかもしれませんが、理由を添えるのがスムーズに受け入れてもらうコツです。「友人と飲みに行く約束をしたので、〇日は定時で上がらせてもらえませんか」のように軽くでいいので、理由も伝えて理解を求めましょう。
定時で上がるときは「お先に失礼します」と堂々と挨拶してください。気まずいからといって、挨拶せずにこっそり抜け出すのはNG。悪びれる必要はなく、相手の目を見て声をかければ十分です。
ワークライフバランスが重要視されるご時世です。気持ちよく定時で帰るためにも、仕事には責任をもって臨んでほしいと思います。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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