業務量が多いことについて、管理薬剤師に相談しましょう
調剤薬局の仕事はチームで成り立っています。相談者さんは年齢が一番下で断りにくい立場にあるとのことですが、とはいえ次々に仕事を頼まれることからスタッフから頼りにされているようですね。
しかし、やみくもに引き受けてしまうのも困りもの。ここは一度、管理薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。ただし、相談の仕方には気を付けるべきポイントがあります。ただ「仕事量が多い」と言うだけでは、本当に仕事量が多いのか疑問をもたれたり、相談者さんの処理能力に問題があるのではないかと思われたりして、相手にしてもらえない可能性があります。
管理薬剤師に相談する時は、あらかじめ準備して臨みましょう。相談したいことがあるから時間を作って欲しい、とお願いしたり、具体的な日時を提案したりして、上司と対面で話せる日時を決めましょう。
また、相談する内容を事前にしっかりまとめておくことも大切です。準備がないまま面談をすると、言いたいことも言えずに終わってしまうということにもなりかねません。まずは、細かい作業も含めて担当業務を全て書き出しましょう。突然依頼されるような隙間の作業も忘れずに具体的にリストアップして、客観的かつ冷静に現状を訴えましょう。
さらに、担当業務が多すぎるとどんな気持ちになるのか、何が辛くて、どんな時にストレスを感じるのかなど、日ごろ感じている心理的・身体的なことも具体的に書いておくと、落ち着いて話せると思います。
相談者さんが緊張しやすいタイプであれば、事前に一人でリハーサルをしてみましょう。あれもこれもと詰め込むと、要点が伝わりにくくなるかもしれません。一番言いたいことを端的に伝えられるよう、原稿を用意するのもおすすめです。
また、「業務量を減らしてほしい」と言うだけではなく、自分から解決策を提案することも大切です。どの業務を減らしてほしいのか、担当変更ができるものがあれば、合わせて提案するといいでしょう。
面談の前には深呼吸をしたり、ゆっくり話すよう意識したりして、落ち着いて面談に臨むようにしましょう。感情的にならないように極力平常心を保ち、主張すべきことは堂々と主張します。
言いにくいからと遠慮したり、思っていることを言わずに終わったりしては、せっかくの機会が台無しです。業務の負担が大きすぎて精神的に疲れているなど、自分の気持ちを包み隠さず正直に、早急に改善してほしいと伝えましょう。
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頼まれた時の断り方も身につけましょう
まず、仕事を頼まれた時は、相手の話を丁寧に聞きます。聞かないうちから「NO」と言ってしまうと、関係性がぎくしゃくしてしまうこともありますから要注意。話を聞いたら、「なんとか役に立ちたいけれど…」と相手を気遣う姿勢を見せましょう。
「NO」の返事をする場合は、まず「申し訳ありません」と意に沿えないことを謝罪してから、理由を伝えます。嘘をつく必要はないので、自分の気持ちを正直に「〇〇の業務が残っているから、そちらを優先したい」などとざっくりとした理由でかまいません。理由があるだけで、相手は納得しやすくなります。
さらに、断るだけでなく、代替案を提案できればベストです。「○○が終わったら少し余裕ができるので、それでよければ」「今は抱えている仕事が多くていっぱいいっぱいなので、〇〇を手伝ってもらえたら余裕ができるかも」などと伝えて、お互いの仕事を融通しあう提案も有効です。
薬剤師の仕事は、小さなミスも許されません。キャパオーバーになって、仕事にミスが出るようなことがあっては一大事です。勇気を出して、上手に断ることも身につけられるよう頑張ってください。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
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