Q179 薬剤師の腕時計はどんなものを身に着けるべき?
Q179 薬剤師の腕時計はどんなものを身に着けるべき?
業務中に安心して身に着けられる腕時計を選びましょう
腕時計をアクセサリーと考えるかどうかは解釈が分かれるところだと思いますが、身に着けるものですので、基本的な考え方は同じです。清潔感がある、派手すぎない、患者さんに悪い印象を与えない、業務に支障がない、といった基本事項を考慮して選べば問題ないでしょう。
もう少し具体的に考えてみます。清潔感・派手すぎないという点については、患者さんの感じ方を基準に考えます。自分は問題ないと思っても、患者さんが「清潔感がない」と感じるようなものを身に着けるのは望ましくありません。
調剤薬局の業務は散剤や水剤・軟膏などを扱ったり、頻繁に手を洗ったりするため、自分が思っている以上に腕時計のバンド部分が汚れやすいものです。バンド部分が汚れにくい素材のものを選ぶか、汚れた時のメンテナンスを考えてバンド部分を水洗いできるタイプを選ぶといいでしょう。
派手な時計を着けていると、どうしても手元が目立ちます。患者さんは意外と薬剤師のことを隅々まで見ているものなので、「誰も気にしないだろう」とは思わずに、仕事用としてふさわしい見た目・機能性の腕時計を身に着けるようにしましょう。
自分へのご褒美として高価なブランドの時計を選びたくなるかもしれませんが、プライベート用と仕事用は分けることをおすすめします。薬局業務では精密機械である腕時計が壊れる可能性があるほか、華美なブランドものは、身に着けているのをよく思わない患者さんがいるかもしれません。仕事を円滑に進めるためにも、患者さんが見ても感じがいいと思う腕時計を選ぶと安心です。
🔽 薬剤師の身だしなみに関する相談に回答した記事はこちら
薬剤師の接遇マナー・テクニック Q21 薬剤師のネイル・アクセサリーはどの程度なら許される?
実用性と耐久性がある腕時計がおすすめです
無菌調剤をおこなう場合は、衛生面を考えて腕時計の着用は控えます。小児科などの処方を扱う薬局では、散剤の調剤の機会が多いでしょうから、腕時計の内部に散剤が入り込む可能性もあります。大切な時計を壊さないように注意したいですね。
在宅訪問などで患者さんと接する業務では、腕時計は何かと役に立ちますが、重いものやかさのあるものを運ぶ機会も多いため、時計が壊れてしまうリスクもあります。患者さんを傷つけることがないよう注意も必要ですから、在宅業務中は時計を外すか、安全性の高い素材のものを選ぶといいでしょう。
また、フィジカルアセスメントをおこなう場合は、デジタルよりアナログ時計の方が使いやすいケースもあります。ナースウォッチも機能が充実したものが増えていますので、業務内容に合わせて使いやすいものを選んでみましょう。
スマートウォッチについては、医療機器との緩衝や個人情報保護の観点を考慮する必要があります。また、スマートウォッチに詳しくない患者さんが「遊んでいる」などと誤解してしまう可能性もあるため、職場内のルールを確認してから使いましょう。
調剤薬局では、壊れにくく実用性や耐久性が高い時計がおすすめです。防水・防塵性を備えたものの中から、業務中に安心して身に着けられる腕時計を探してみてください。業務に役立ち、モチベーションを高める効果も期待できるお気に入りの腕時計を身に着けて、これからも信頼される薬剤師として活躍してほしいと思います。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/
※投稿者の特定を避けるため、一部内容を変更して掲載しております。