MPラーニングは、研修認定薬剤師などの日本薬剤師研修センターの認定制度に対応しているため、資格を取得する方法や費用について気になっている方も多いかもしれません。本記事では、MPラーニングの料金やメリット、注意点を解説するとともに、研修認定薬剤師の概要や、MPラーニングで研修認定薬剤師の資格を取得する方法についてもお伝えします。研修認定薬剤師の取得を目指している方や、MPラーニングの活用を検討している方はぜひ参考にしてください。
- 1.MPラーニングとは?
- 1-1.MPラーニングで取得できる「研修認定薬剤師」とは?
- 2.MPラーニングの料金
- 3.MPラーニングで研修認定薬剤師の資格を取得する方法
- 3-1.PECSに登録する
- 3-2.MPラーニングに申し込む
- 3-3.研修を受講する
- 3-4.PECSに認定申請を行う
- 4.MPラーニングのメリット
- 4-1.比較的安価でさまざまな種類の講座を受講できる
- 4-2.最新情報をキャッチアップできる
- 4-3.自分のペースで必要な知識を習得できる
- 4-4.「漢方薬・生薬認定薬剤師」「小児薬物療法認定薬剤師」の更新単位に使用できる
- 4-5.スマホからログインして視聴できる
- 5.MPラーニングの注意点
- 5-1.講義の最後に必ず確認テストがある
- 5-2.自動で連続再生されない
- 5-3.早送りや倍速視聴をすると進捗が保存されない
- 5-4.単位の反映までに時間がかかる
- 5-5.公開日が古い講義も含まれている
- 6.MPラーニングを活用して、研修認定薬剤師の取得を目指そう
1.MPラーニングとは?
MPラーニングとは、一般社団法人マナラボプラスの「MPラーニング運営委員会」によって運営されている薬剤師向けのe-ラーニングです。
疾患、治療、実務マネジメント、薬事関連法規、服薬指導、健康支援、臨床検査、漢方、在宅医療など、薬剤師として活躍するために必要な知識やスキルを幅広く学べます。
また、日本薬剤師研修センターの認定制度に対応しており、研修認定薬剤師などの資格を取るために必要な単位を取得できます。
参照:運営委員会について|MPラーニング
参照:コンテンツの情報|MPラーニング
参照:各種認定制度について 研修認定薬剤師制度|MPラーニング
1-1.MPラーニングで取得できる「研修認定薬剤師」とは?
研修認定薬剤師とは、日本薬剤師研修センターが運営する研修認定薬剤師制度のもと、質の高い業務を行うために自己研鑽を続けた薬剤師を認定する資格です。
薬剤師が時代に即したニーズに対応し、医療に貢献し続けるためには、継続的な学習が欠かせません。研修の成果を記録し、それを客観的に認定することを目的として、研修認定薬剤師制度が開始されました。
研修認定薬剤師になるには、日本薬剤師研修センターが定める研修を受講し、認定申請日からさかのぼって4年以内に40単位以上を取得する必要があります。
また、3年ごとの更新が必要であり、認定開始日から1年ごとに区切り、各年5単位以上かつ3年間で30単位以上を取得しなければなりません。
参照:研修認定薬剤師制度とは|日本薬剤師研修センター
参照:研修認定薬剤師になるには|日本薬剤師研修センター
🔽 研修認定薬剤師について解説した記事はこちら
2.MPラーニングの料金
MPラーニングには、新規で研修認定薬剤師の取得を目指す「新規取得コース」と、すでに研修認定薬剤師を取得している方向けの「更新コース」があります。
どちらのコースも受講できるコンテンツ数に制限はありません。更新コースは、MPラーニングの利用が初めての場合でも選択可能です。
料金は年払いで、クレジットカード払い・郵便払込に対応しています。個人申し込みによる各コースの料金は、以下のとおりです。
新規取得コース | 更新コース | |
---|---|---|
料金(年間) | 16,500円 | 8,800円 |
対象 | 研修認定薬剤師の新規取得・再申請を目指す方 | すでに研修認定薬剤師の認定を取得している方 |

3.MPラーニングで研修認定薬剤師の資格を取得する方法
研修認定薬剤師の資格を取得するためには、MPラーニングで研修を受講するだけではなく、
PECS(薬剤師研修・認定電子システム)への登録・認定申請が必要です。
ここからは、MPラーニングで研修認定薬剤師の資格を取得する方法について解説します。
参照:受講の流れ 受講開始から「研修認定薬剤師」申請のお手続きまで|MPラーニング
3-1.PECSに登録する
研修認定薬剤師の資格を取得するには、PECSへの登録が必要です。PECSとは、日本薬剤師研修センターが運営する「薬剤師研修・認定電子システム」のことです。
PECSへの登録は、日本薬剤師研修センターのホームページ上で行います。登録時には薬剤師名簿登録番号と登録年月日が必要となるため、薬剤師免許証を用意しておきましょう。
生年月日や薬剤師名簿登録番号、登録年月日などに誤りがあると、研修を受講しても単位が反映されないため、登録内容が正しいかを入念に確認する必要があります。
参照:PECSについて(薬剤師研修・認定電子システム)|MPラーニング
3-2.MPラーニングに申し込む
MPラーニングのお申し込みページから、希望コースを選択して申し込みを行います。申し込み入力では、必ずMPラーニングの登録情報とPECSの登録情報が合致していることを確認しましょう。
PECSに未登録の場合や、登録した情報に誤りがある場合は、研修を受講しても単位を取得できません。
申し込み後は、ユーザー情報ページでMPラーニングの登録情報を確認できます。
参照:PECSについて(薬剤師研修・認定電子システム)|MPラーニング
3-3.研修を受講する
MPラーニングの登録が完了したら、研修認定薬剤師の単位を取得するために研修を受講します。MPラーニングでは、研修を計90分受講すると1単位を取得できます。
1コンテンツあたり約30分で構成されているため、1単位を取得するためには3コンテンツの受講が必要です。
3-4.PECSに認定申請を行う
研修認定薬剤師の認定に必要な単位を取得したら、PECSで認定申請を行います。認定申請は自動で行われないため、自身で申請手続きをしなければなりません。
PECSにログインした後、認定申請ページから研修認定薬剤師の新規申請を行います。審査料11,000円(税込)を、クレジットカード払いかコンビニ決済にて支払います。PECSでの申請が完了すると、受付完了のメールが届きます。
審査を通過した場合、申請後約1カ月すると認定許可通知がメールで届き、さらに約1カ月後に認定通知証が発行されます。認定薬剤師カード(IDカード)の作成を希望する場合、認定確定後に別途申し込みが必要です。
参照:研修認定薬剤師の新規申請手続きについて|日本薬剤師研修センター
参照:研修認定薬剤師 新規申請の⼿順|日本薬剤師研修センター
4.MPラーニングのメリット
MPラーニングには、以下のようなメリットがあります。
● 最新情報をキャッチアップできる
● 自分のペースで必要な知識を習得できる
● 「漢方薬・生薬認定薬剤師」「小児薬物療法認定薬剤師」の更新単位に使用できる
● スマホからログインして視聴できる
それぞれのメリットについて解説します。

4-1.比較的安価でさまざまな種類の講座を受講できる
MPラーニングは、比較的手頃な料金でさまざまな種類の講座を受講できるのが大きな魅力です。2025年3月時点で935コンテンツが公開されており、基礎から実践レベルまで幅広く対応しています。
料金の高い新規取得コース(16,500円)でも月額に換算すると1,375円と、毎月専門書を購入するよりもコストをかけずに受講できるでしょう。
参照:コンテンツの特長|MPラーニング
参照:コンテンツの情報|MPラーニング
4-2.最新情報をキャッチアップできる
医療に関する最新情報をキャッチアップできる点も、MPラーニングのメリットです。医療業界で活躍するには、新薬や新たな治療法の登場、調剤報酬の改定など多くの変化に対応するために、最新情報のキャッチアップが欠かせません。
MPラーニングでは定期的にコンテンツが更新されており、情報のアップデートにも有用です。
参照:コンテンツの情報|MPラーニング
4-3.自分のペースで必要な知識を習得できる
MPラーニングにはコンテンツの受講制限がないため、自分のペースに合わせて必要な知識を習得できます。
たとえば、興味のある分野を重点的に学ぶことで専門性を高めたり、日々の業務で生じた疑問を研修で解決し、薬剤師業務に役立てたりすることができます。
参照:コンテンツの特長|MPラーニング
4-4.「漢方薬・生薬認定薬剤師」「小児薬物療法認定薬剤師」の更新単位に使用できる
MPラーニングは、研修認定薬剤師のほか、日本薬剤師研修センターの「漢方薬・生薬認定薬剤師」「小児薬物療法認定薬剤師」にも対応しています。
漢方や小児関連のコンテンツを受講すれば、「その他の研修」として漢方薬・生薬認定薬剤師、小児薬物療法認定薬剤師の更新単位としても使用可能です。
参照:各種認定制度について 漢方薬・生薬認定薬剤師制度/小児薬物療法認定薬剤師制度|MPラーニング
🔽 漢方薬・生薬認定薬剤師について解説した記事はこちら
🔽 小児薬物療法認定薬剤師について解説した記事はこちら
4-5.スマホからログインして視聴できる
MPラーニングはスマホからログインしてコンテンツを視聴できるため、時間や場所を問わず学習しやすいところも魅力です。
通勤時間や休憩中はもちろん、出張中や外出先でも手軽に研修を受講できます。柔軟に学習を進められるため、日々の業務が忙しい方でも効率的に学び続けられるでしょう。
参照:ご利用マニュアル(p.4)|MPラーニング
5.MPラーニングの注意点
MPラーニングを利用するときは、以下のような点に注意しましょう。
● 自動で連続再生されない
● 早送りや倍速視聴をすると進捗が保存されない
● 単位の反映までに時間がかかる
● 公開日が古い講義も含まれている
それぞれの注意点について解説します。
5-1.講義の最後に必ず確認テストがある
MPラーニングでは、約30分のコンテンツを最後まで進めると、確認テストがあります。確認テストは選択式で、全5問もしくは全10問出題されます。
学習内容の理解を深めるために有用であるものの、単位取得を効率的に進めたいと考える方にとっては、回答に時間がかかる点がデメリットに感じられるかもしれません。
参照:ご利用マニュアル(p.92)|MPラーニング
5-2.自動で連続再生されない
MPラーニングでは、1コンテンツが複数の日程に分けられており、自動では連続再生されない仕様となっています。
この仕様によって段階的に学習を進められる一方で、ひとつの日程が終了するごとに画面の操作が必要なため、中には煩わしさを感じる人もいるでしょう。
参照:ご利用マニュアル(p.47)|MPラーニング
5-3.早送りや倍速視聴をすると進捗が保存されない
シークバーのスライダーで早送りをしたり、アプリやブラウザの機能を利用して倍速視聴をしたりすると、進捗が保存されないため注意が必要です。
コンテンツの再生中はこれらの機能の使用を控えましょう。
参照:ご利用マニュアル(p.43)|MPラーニング
参照:よくあるご質問 A9. 受講の進捗が保存されません。|MPラーニング
5-4.単位の反映までに時間がかかる
コンテンツを受講した後、すぐに単位が反映されるわけではありません。受講した翌々月の月末までにPECS上に単位が付与されます。認定薬剤師の更新日が迫っている場合には、反映までの期間を考慮して計画的に単位を取得する必要があります。
なお、単位取得日は受講終了日の月末となります。
参照:よくあるご質問 D1. 単位が発行される仕組みについて教えてください。|MPラーニング
参照:はじめて認定をとろうとするあなたへ(研修認定薬剤師の認定)|日本薬剤師研修センター
5-5.公開日が古い講義も含まれている
公開中のコンテンツの中には、公開日が10年以上前のものも含まれています。
参照:コンテンツの情報|MPラーニング
コンテンツを受講するときには公開日を確認するとともに、古い情報が含まれている可能性があることも留意しましょう。

6.MPラーニングを活用して、研修認定薬剤師の取得を目指そう
MPラーニングは、薬剤師向けのe-ランニングであり、研修認定薬剤師になるために必要な単位を取得できます。また、取得した単位は「漢方薬・生薬認定薬剤師」「小児薬物療法認定薬剤師」の更新単位としても使用可能です。
新規取得コースの場合でも年間16,500円と、比較的安価でさまざまな種類の講座を自由に受講できます。スマホからもログインでき、時間や場所を問わずに学習できるのも、日々の業務が忙しい方には大きなメリットです。
これから研修認定薬剤師の取得を目指す方、薬剤師としての知識やスキルを磨きたい方は、MPラーニングを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

執筆/篠原奨規
2児の父。調剤併設型ドラッグストアで勤務する現役薬剤師。薬剤師歴8年目。面薬局での勤務が長く、幅広い診療科の経験を積む。新入社員のOJT、若手社員への研修、社内薬剤師向けの勉強会にも携わる。音楽鑑賞が趣味で、月1でライブハウスに足を運ぶ。
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