インタビュー 公開日:2025.11.14 インタビュー

 

薬剤師・薬局の仕事は、一般の利用者の立場からは分かりにくい部分も多いかもしれません。薬剤師・薬局に関する素朴な疑問について、薬剤師さんに詳しく解説してもらいました!

 

「薬剤師へのプレゼント」って何をもらったらうれしい?

 

お気持ちだけで十分ですが、もしいただけるならチームで分けられるものだとうれしいです!

仕事で「ありがとう」という言葉をたくさんいただけるのに、その上プレゼントまで……。しかも、もらってうれしいものをお伝えしてもいいのでしょうか。お気持ちだけで本当に十分なのですが、薬局で直接プレゼントをいただくとしたら……という想定で「もし何か贈るなら?」というご質問にお答えします。

 

薬局は、薬剤師だけでなく、多くのスタッフが協力し合って成り立っています。そのため、高価なものを個人的にいただくと、かえって気が引けてしまうことがあります。もし何かをいただけるのでしたら、みんなで分けられるものが一番うれしいです。

 

多忙を極めることが多い職場で、スタッフが交代で休憩を取るため、保存が利いて、いつでも手を伸ばせる個包装のお菓子などは非常にありがたく、仕事の合間の楽しみになっています。いただいた当日はお休みしているスタッフもいるので、「昨日、○○さんからいただいたのよ~」なんて話しながら、患者さんの様子を伝えられる点もいいですね。その他、コーヒーはインスタントを使っていることが多いので、小分けのレギュラーコーヒーや紅茶のティーバッグなどもありがたいと思います。

 

食べ物以外でも、例えば上質なハンドソープやハンドクリームだと、共用スペースに置くことができ、スタッフ同士で「これいいね」と会話も弾み、とてもうれしい気持ちになります。

 

薬局は職場ではありますが、食事をしたり、お茶を飲んだりと、スタッフが生活する場という一面も持っています。そのため、基本的には、日常生活で使うものであれば、どんなものでも工夫して使わせていただいており、困ることはほとんどありません。

 

ただ一度だけ、患者さんの温かいお気持ちに、ありがたいと思いつつ、少しだけ困ってしまった思い出があります。

 

ある日、顔なじみの患者さんが「買い物に行ったらおいしそうだったから、あなた方にも食べてもらいたくて」と、揚げたてのコロッケを差し入れてくださいました。その時は食事のタイミングではなく、すぐに食べられる状況ではありませんでした。しかし、私たちはその方の気持ちが本当にうれしくて、外来の患者さんからは見えない場所で、交代でアツアツのコロッケを頬張りました。味は本当においしく、患者さんの言葉通りでしたよ。今ではいい思い出です。

 

いずれにしても、「何かプレゼントを……」と考えるそのお気持ちだけで、私たちは十分。どうぞお気遣いなく、これからも気軽に薬局へお立ち寄りください。

患者さんへの対応から
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執筆/藤野紗衣(ふじの さえ)

東北大学薬学部卒業後、ドラッグストアや精神科病院、一般病院に勤務。現在はライターとして医療系編集プロダクション・ナレッジリングのメンバー。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
ウェブサイト:https://www.knowledge-ring.jp/