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オプジーボなど抗PD-1抗体の臨床試験結果を発表

薬+読 編集部からのコメント

2016年10月に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)。抗PD-1抗体の「オプジーボ」「キイトルーダ」に関する臨床試験の結果が発表されました。各試験結果の詳細がまとめられた記事です。

先にコペンガーデンで開かれた欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、抗PD-1抗体のオプジーボ(小野薬品、ブリストル・マイヤーズ スクイブ)および「キイトルーダ」(MSD、米メルク)に関する臨床試験結果が発表され注目を集めている。

 

その中で、非小細胞肺がん(NSCLC)のファーストライン(1次治療)の可能性を調べるオプジーボの「CheckMate-026試験」(PIII)の主要解析の最終結果では、主要評価項目であるPFS(無増悪生存期間)の中央値で有意性が示さなかったが、キイトルーダの「KEYNOTE-024試験」では有意に延長した。なお、「CheckMate-026試験」では、「PD-L1」発現レベルが1%以上の患者を、「KEYNOTE-024試験」は50%以上の患者を対象としているなど、試験デザインが異なるため単純比較はできない。PD-L1発現レベル50%以上のNSCLC患者は、全NSCLC患者の一部と言われている。

 

CheckMate-026試験は、PD-L1発現レベルが1%以上のNSCLC患者を対象に、有用性と安全性についてオプジーボ単剤療法とプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較したもの。オプジーボは、PD-L1発現レベル5%以上の患者における主要評価項目のPFSの中央値が4.2カ月に対し、化学療法群は5.9カ月で有意性は示されなかった。

 

一方、「KEYNOTE-024試験」は、PD-L1発現レベル50%以上の未治療NSCLC患者を対象に同剤単剤療法とプラチナ製剤を含む化学療法とを比較しており、PFSの中央値はキイトルーダ群で10.3カ月、化学療法群で6.0カ月を示し、有意(P≪0.001)な延長が認められた。

 

オプジーボのその他の臨床試験結果では、「CheckMate-057試験」、「CheckMate-017試験」の両試験において、治療歴を有する再発のNSCLC患者で、オプジーボの投与を受けた3分の1以上が奏功継続中であった。対して、ドタキセルを投与した患者では奏功継続中の患者はいなかった。

 

奏功期間(DOR)の中央値は、「CheckMate-057試験」で、オプジーボ群17.2カ月、ドセタキセル群5.6カ月で、「CheckMate-017試験」ではオプジーボ群25.2カ月、ドセタキセル群8.4カ月であった。また、両試験で、PD-L1発現および非発現患者の両方で持続的奏功が認められ、「CheckMate-057試験」では、完全奏功患者の4人に1人がPD-L1発現レベル1%未満の患者であった。これらの結果から、オプジーボは、PD-L1阻害薬として最長の追跡調査期間において治療歴を有する進行期NSCLC患者の持続的な奏功が示された。

 

また、「CheckMate-275試験」の結果から、進行膀胱がんに対するオプジーボの今後の試験の有用性が確認された。「CheckMate-016試験」では、転移性腎細胞がんに対するオプジーボとヤーボイ、スニチブまたはパゾパニブとの併用療法の有用性が示された。

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出典:薬事日報

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