リップクリームの開発に挑戦‐キッザニアの体験ブース刷新
ロート製薬は昨年12月に、兵庫県西宮市の職業体験型テーマパーク「キッザニア甲子園」に出展している「医薬研究所」ブースをリニューアルオープンした。子供たちが研究するのはリップクリームで、化合物を混ぜ合わせて溶かしたり、冷却して固めたり、子供たちがリップクリームの開発に挑む。医薬品を開発する工程で生じる物質の変化を体感してもらい、身の回りにあるモノの構造を科学的に捉える力を身につけてもらうのが狙い。
研究所の指導員の手ほどきを受けて、小学生6人がリップクリームの原料となるパラフィンをビーカーに流し込む。混ぜ合わせた化合物は容器ごと90℃の熱湯に浸して溶解する。
「白かった固形のパラフィンは何色になりましたか?」「透明です」。固形のパラフィンは液体になると変色することを子供たちに見てもらい、物性の変化を体感してもらう。溶液に香料を混ぜた後、底の浅いジャー容器に移し替え、冷蔵庫で冷却。クリーム状になるまで固める。子供たちは試作したクリームを手の甲に塗って固さを確認したり、香りを嗅いだりした。
1回の研究にかかる時間は約30分。完成した試作品の代わりに、同社が販売するリップクリームを代わりに持ち帰ってもらう。参加した小学生からは「固まっている油と液体の油を溶かしたり混ぜ合わせたりして、楽しかった」との声が聞かれた。
取締役プロダクトマーケティング部長の力石正子氏は「親しみのあるリップクリームの作り方を学び、身の回りにある科学に興味を持ってほしい。理科を好きになってもらえれば」と期待を込める。
同社は2009年12月にキッザニア甲子園に出展。これまでに約38万人の子供たちに「医薬研究所」で研究職を経験してもらった。これからも職業体験をきっかけに、科学への興味を深めてほしい考えだ。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
職業体験ができる「キッザニア甲子園」(兵庫)にある「医薬研究所」(ロート製薬)が刷新。小学生6人の子供たちは、リップクリーム作りを体験できます。職業体験をきっかけに、科学への興味を深めてほしいとの考えです。