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乾癬の生物製剤など了承‐リフキシマが継続審議に

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は新有効成分のイキセキズマブ(遺伝子組み換え)を含有する生物製剤「トルツ皮下注」、エルビテグラビル、コビシスタットなど4成分を配合した抗HIV薬「ゲンボイヤ配合錠」などを了承しました。肝性脳症治療薬「リフキシマ錠」は結核菌が耐性化するのではとの懸念が出され、継続審議となりました。

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は5月30日、乾癬の生物製剤や、4成分配合の抗HIV薬などを審議し了承した。あすか製薬が申請した肝性脳症治療薬「リフキシマ錠」は、同剤の服用によって結核菌が薬剤耐性化するのではとの懸念が委員から示されたため、継続審議となった。

審議品目

 

トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター(日本イーライリリー):新有効成分のイキセキズマブ(遺伝子組み換え)を含有する生物製剤で、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を効能・効果とする。

 

炎症性サイトカインのIL-17Aの結合を阻害することにより、皮膚角化細胞の過剰な増殖・活性化を抑制し、乾癬に対して有効性を示すと考えられている。類薬にヒュミラ皮下注、コセンティクス皮下注などがある。用法・用量は初回に160mgを投与し、2週間後から12週間後までは1回80mgを2週間間隔で投与。以降は1回80mgを4週間隔で投与する。

 

再審査期間は8年。海外では、今年3月に米国で承認されているが、欧州は審査中。

 

ルミセフ皮下注210mgシリンジ(協和発酵キリン):新有効成分のブロダルマブ(遺伝子組み換え)を含有する生物製剤で、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を効能・効果とする。

 

同剤は、IL-17受容体へのIL-17Aの結合を阻害することで、乾癬に対して有効性を示すと考えられている。用法・用量は、1回210mgを初回、1週間後、2週間後に投与し、以降、2週間の間隔で投与する。

 

再審査期間8年。海外では、欧米で15年11月に承認申請され、現在審査中。

 

ゲンボイヤ配合錠(日本たばこ産業):有効成分のエルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩の4成分を配合した抗HIV薬。

 

同剤は、核酸系逆転写酵素阻害剤のテノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)のプロドラッグであるテノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF)を配合したもの。TAFはTDFに比べて血漿中で安定するため、TDFの投与を減量することができ、TDFの特徴的な有害事象とされている腎機能障害などの低減が期待されている。用法・用量は、1日1回食後に経口投与する。

 

希少疾病用医薬品で再審査期間は10年。海外では15年11月に欧米で承認されている。

報告品目

 

サイラムザ点滴静注液100mg、同点滴静注液500mg(日本イーライリリー):有効成分のラムシルマブ(遺伝子組み換え)を含有し、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の効能・効果を追加する。

 

再審査期間は残余の23年3月25日まで。海外では米国で14年12月、欧州で16年1月に承認され、今年2月時点で五つの国・地域で承認されている。

 

◇   ◇

 

この日の部会では、あすか製薬の肝性脳症治療薬「リフキシマ錠」が継続審議扱いとなった。

 

有効成分のリファキシミンが抗結核薬の「リファンピシン」と同じリファマイシン系抗菌薬に分類され、構造が似ているため、委員からリファキシミンの使用が拡大されることで、結核菌の耐性化を懸念する声が上がったことが理由。

 

リファキシミンの耐性化に関するより詳細なデータを確認すべきとの意見も出たため、企業側にデータの追加を求めることとなった。

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出典:薬事日報

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