入学者、安定した状態続く‐大学別ではなおもバラツキ
本紙が薬大・薬学部を調査‐4年制学科は定員割る
2017年度の全国の薬科大学・薬学部の入学者は、1年次に学部入学者数が確定しない2大学を除く72校(定員1万2712人)で、1万2765人(定員比100.4%)で、この数年、全体的には安定した状況が続いている。また、今年度の全74校の総定員は1万2872人で16年度(定員1万2933人)と比べ61人減少した。名城大と近畿大4年制学科で若干名の定員増、北陸大では定員削減が行われた。一方、岐阜薬大は4年制学科(40人)の募集を停止、削減分は6年制へ振り替えられた。なお、大学院の定員については城西大、名古屋市大および愛知学院大で若干名の増減が行われた。本紙調査で明らかになった。
表:2017年度 薬科大学・薬学部入学状況(学部編)
表:2017年度 薬科大学・薬学部(大学院)進学状況
今年度の薬科大学・薬学部の入学定員は1万2872人で、16年度に比べて若干減少した。08年度以降、14年度まで連続して減少してきた定員数は、15年度に数校で4年制学科の新設・増員により初めて前年度を上回り、1万2933人となったが、北陸大の大幅な定員削減があり、今年度再び減少した。内訳は、6年制学科が1万1428人(前年度より17人減)、4年制学科は1458人(30人減)だった。
定員に変更があったのは北陸大、名城大、岐阜薬大、近畿大の4校で、北陸大では306人(全て6年制)を220人に削減、名城大(同)では逆に定員を250人から265人に増員、岐阜薬大では4年制学科(40人)の募集を停止し、6年制を80人から120人に増員した。また、近畿大では4年制(30人)を10人増員し、総定員は190人となった。
入学者については、初年度に学部入学者数が確定しない北大、東大を除く72校では定員1万2712人に対し1万2765人が入学、定員に対する入学者数の割合は100.4%となった。12年度(101.7%)以降は100%台を維持している。
ただ、大学別にはバラツキが続いている。入試方式が大きく異なる北大、東大を除く72校での状況だが、入学者が定員の10%以上であったのは12校(16年度は8校)、さらに120%超は3校(2校)だった。一方、入学者数が定員の80%以下だったのは11校(8校)、60%以下は4校(3校)となった。
6年制、4年制の別で見ると6年制学科の定員は1万1428人で前年度より17人減少した。入学者数は国公立系を中心にした入試制度の異なる8校を除く66校では1万0924人(定員は1万0905人)、定員に対する入学者の割合は100.2%だった。なお、16年度の入学者数1万0767人に対し157人増加した。4年制学科は定員1458人で入学者は1071人、6年制と同様に66校の定員1086人に対し入学者の割合は98.6%とわずかに100%を下回った。
大学院進学者は概ね確保
一方、大学院については6年制学科に続く博士課程(4年制)の定員は486人で進学者は309人、4年制学科に続く博士前期課程(2年制)の定員は1242人で進学者は1079人、博士後期課程(3年制)の定員は331人で進学者は237人だった。
大学別に見ると城西大では博士課程(4年制)の定員3人を6人、博士前期課程(2年制)の定員40人を52人に増員した。静岡県立大では博士課程の定員8人を5人に、博士後期課程の定員13人を11人に削減した。名古屋市大では博士課程6人を10人へ、博士前期課程36人を42人にそれぞれ増員。愛知学院大は博士課程5人を3人に削減した。
大学別には博士課程(4年制)が設置されている62校のうち、薬学系の定員は2~4人程度で、今年度については概ね進学者は確保できた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬事日報の調査で、2017年度の全国の薬科大学・薬学部の入学者は1万2765人ということが明らかになりました。今年度の薬科大学・薬学部の入学定員は1万2872人。北陸大学の大幅な定員削減により、2017年度よりも減少したということです。