薬剤師会

副作用対応マニュアル改訂‐記載の古い疾患から見直しへ

薬+読 編集部からのコメント

前回の制作を行ってから10年以上が経過している「重篤副作用疾患別対応マニュアル」。厚生労働省は皮膚疾患のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症、間質性肺炎など記載が古い疾患から順に見直しを進めることに決定しました。今後、5年をかけて改定するということです。

厚労省検討会

 

厚生労働省の重篤副作用総合対策検討会は7日、薬剤師などの医療者や患者が副作用の初期症状を早期に発見し、対応できるようにする「重篤副作用疾患別対応マニュアル」の見直しに向けた議論を開始した。マニュアル作成から10年以上が経過し、内容が古くなったため、記載が古い疾患から順に見直しを進め、今年度から5年かけて改訂を行う。今後、関連学会の意見を踏まえた上で、来年初めをメドに疾患領域やマニュアルのあり方などから検討を進めていく予定だ。


 

これまで国の医薬品安全対策は、それぞれの薬ごとに発生した副作用の情報を集めて評価し、臨床現場に注意喚起するという事後対応型が中心だったが、重篤な副作用の発生頻度は低いため、医師によっては重篤な副作用を経験する機会が少なく、発見が遅れるおそれがあった。

 

そのため厚労省は、薬の使用により発生する副作用の疾患に着目し、予測・予防型の副作用対策を整備するため、2005年度から10年度にかけて関連学会に委員会を立ち上げ、日本病院薬剤師会との議論を踏まえ「重篤副作用疾患別対応マニュアル」をまとめた。マニュアルでは、皮膚や消化器、精神など19領域75疾患の副作用を公表している。

 

今回、マニュアル作成から10年以上が経過し、記載内容が古くなったことや一層のマニュアル活用を促すため、今年度から5年間にわたって改訂作業を行い、マニュアルを更新することにした。日病薬が関連学会とワーキンググループを設置し、06年11月に公表した皮膚疾患のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症、間質性肺炎、非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作、急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群など記載が古い疾患から順に見直しを進め、必要に応じて新しい疾患の追加も検討した上で、改訂マニュアル案をまとめる。マニュアルの改訂版は、厚労省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで公表する予定。

 

この日の検討会では、構成員から「関連学会の意見を踏まえた上で、今後の方向性を決めるべき」「診断基準を変更する場合は疾患数も増やすべき。現在のマニュアルがどの程度活用されているのかを把握すべき」などの意見が出た。

 

今後、関連学会からの意見を考慮した上で、個々の疾患だけでなく、皮膚や肝臓、呼吸器など疾患領域やマニュアルのあり方も含めて見直しを進めていく方針である。来年の初めに次回の検討会を開き、具体的な改訂作業をスタートさせる予定だ。

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出典:薬事日報

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