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希少疾患の専門組織を新設‐旧シャイアー人材が主体

薬+読 編集部からのコメント

武田薬品は、4月1日付で希少疾患の専門組織を新設。
組織の大半は、旧シャイアー人材で構成されるそう。希少疾患で新規患者を掘り起こすほか、
ADHDと不眠症治療剤「ロゼレム錠」の情報提供活動など精神疾患・小児疾患領域の事業体制も強化するとのことです。

岩崎氏
岩崎氏

 

武田薬品は、4月1日付でシャイアー統合後の組織再編として、希少疾患領域に特化した「レアディジーズビジネスユニット」(RDBU)を新設する。RDBUとジェネラルメディスンビジネスユニット(GMBU)が連携して、希少疾患の情報提供活動を展開し、新規患者を掘り起こす。ジャパン・ファーマ・ビジネスユニットプレジデントの岩崎真人氏は、本紙のインタビューに応じ、「武田が従来から有している幅広い事業範囲と、旧シャイアーの専門性を組み合わせ、希少疾患領域での事業開拓と深掘りを同時に実行していきたい」と組織再編の狙いを語った。

 

新規患者の発掘へ

今回の再編で、2次医療圏ごとに構成された全国154カ所の営業プラットフォームを持つGMBUを基盤に、専門疾患領域に応じたビジネスユニットとして「オンコロジーBU」「スペシャリティBU」と、今回新設したRDBUの3部門とGMBUが連携する情報提供体制にシフトする。

 

旧シャイアーで扱っている希少疾患領域をめぐっては、患者数が少ないため、適切な診断や治療法へのアクセスに時間がかかることが課題となっている。そこで、組織の大半を旧シャイアーの人材で構成するRDBUが、希少疾患治療薬に関する専門的な情報提供を担い、GMBUも希少疾患領域の情報提供を支援することで、広範囲の医療圏をカバーし、希少疾患の診断から早期発見や潜在的な患者の掘り起こしを目指す。

 

岩崎氏は、「希少疾患の場合はどこで患者さんが掘り起こされるか分からないが、GMBUをプラットフォームとして活用することで、どういった情報のニーズがあるかすぐに分かる」とメリットを述べ、希少疾患に関する情報が知りたい医療機関に対し、RDBUのMRが迅速に訪問できる体制を作る。

 

また、精神疾患・小児疾患領域の事業体制も強化する。生活習慣病領域の製品を扱うGMBU内には、シャイアー製品の注意欠如・多動症(ADHD)治療薬の情報提供を担う「小児領域MR」「精神領域MR」を新たに立ち上げる。

 

小児領域のMRは、武田が主に小児向けワクチンの情報提供活動を通じて築いた小児科のネットワークを活用し、ADHD治療薬「インチュニブ」の小児適応でADHDの早期診断につなげる活動を行う。

 

一方、精神領域MRは、インチュニブで追加申請中の成人の適応も含めたADHDと不眠症治療剤「ロゼレム錠」の情報提供活動を基本に進めるが、今後の精神系疾患の開発パイプラインを見据え、体制を構築していく。

 

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出典:薬事日報

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