創薬・臨床試験

後発品11品目が品質合格‐抗不安剤等、溶出遅い先発品も

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省が今年9月に開催した第13回ジェネリック医薬品品質情報検討会の概要を公表しました。昨年2月の第10回検討会で選ばれた10品目が検討対象になっていたとのことです。

厚生労働省は、9月に開催した第13回ジェネリック医薬品品質情報検討会の概要を公表した。国立医薬品食品衛生研究所と地方衛生研究所の担当者で構成する「製剤試験ワーキンググループ」が、ゾルピデム酒石酸塩錠等の4品目の抗不安・睡眠剤、リスペリドン錠等の7品目の精神神経用剤の計11品目について溶出挙動を検討した結果、いずれの後発品も溶出規格に適合していた。

 

今回、検討対象となったのは、昨年2月の第10回検討会で選ばれた10品目。抗不安・睡眠剤4品目(ゾルピデム酒石酸塩錠、トフィソパム錠、ジアゼパム錠、クアゼパム錠)、7品目の精神神経用剤(リスペリドン錠、ゾピクロン錠、パロキセチン塩酸塩錠、フルボキサミンマレイン酸塩錠、ミルナシプラン塩酸塩錠、スルピリド錠、クエチアピンフマル酸塩錠)について溶出試験を行った結果、全ての品目で承認時の溶出規格に適合していた。

 

後発品のうち、ゾルピデム酒石酸塩錠、トフィソパム錠、ゾピクロン錠、パロキセチン塩酸塩錠の一部は、溶出試験でオレンジブック、先発品の溶出挙動の類似性範囲から外れる結果となった。これについて、メーカーが変動要因を確認し、改善に向けた対応が行われることが報告された。結果次第では、改めて検討会で溶出試験を行い、確認する可能性もある。

 

先発品については、スルピリド錠の1製剤で溶出が遅く、オレンジブックの溶出曲線の類似性範囲から外れていたことが分かった。同錠は、品質再評価時に自社で測定、提出した溶出性データを製造管理に用いていたことから、対応を検討することになった。また、ジアゼパム錠の1製剤も、オレンジブックの溶出曲線の類似性範囲から外れていたことから、メーカーによる改善検討が行われることが報告された。

 

一方、これまでの検討会で溶出試験を行い、溶出挙動の課題が指摘され、メーカーから品質改善への対応完了が報告された5品目(アマンタジン塩酸塩錠、チクロピジン錠、シメチジン錠、アテノロール錠、ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル)について、改めて溶出試験を行った結果、いずれも溶出挙動は類似性範囲にあり、適切に改善されていることが確認された。

 

さらに、昨年3月に、先発品より副作用頻度が高いと論文発表され、昨年と今年の検討会で課題が指摘された切迫流・早産治療剤「リトドリン塩酸塩注射液」(リンドルフ点滴静注50mg)について詳細な解析が行われた。

 

その結果、副作用の報告数に変化は見られず、製造工程と原薬供給元の変更により、不純物量が減少していることが報告され、その内容を概ね妥当と判断。リトドリン後発品と副作用の関係はなしと結論付けた。

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出典:薬事日報

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