新薬3件の一変を了承‐カンジダ膣炎で初の経口剤
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は24日、MSDのC型慢性肝炎治療薬「ペグイントロン」、田辺三菱製薬のアレルギー性鼻炎治療薬「タリオン」など3件の一部変更承認を審議し、了承した
審議品目
▽タリオン錠5mg、同10mg、同OD錠5mg、同OD錠10mg(田辺三菱製薬):有効成分のベポタスチンベシル酸塩を含有し、小児のアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚ソウ痒症)に伴うソウ痒の効能・効果、用法・用量を追加する。類薬には、第二世代抗ヒスタミン薬として、フェキソフェナジン、エピナスチンなどがある。
用法・用量は、7歳以上の小児に1回10mgを1日2回経口投与する。再審査期間は4年。小児の用法・用量の海外承認はない。
▽注射用レザフィリン100mg(Meiji Seika ファルマ):有効成分のタラポルフィンナトリウムを含有し、化学放射線療法または放射線療法後の局所遺残再発食道癌の効能・効果を追加する。
昨年に希少疾病用医薬品の指定を受けている。類薬には、食道癌の光線力学的治療の適応を持つ医薬品として、フォトフリン静注用があるが、その治療に用いるレーザ装置は既に製造中止となっている。
用法・用量は40mg/m2を1回静脈内注射する。静脈内注射4~6時間後にレーザ光を病巣部位に照射する。再審査期間は10年。海外承認はない。
▽ペグイントロン皮下注用50μg/0・5mL用、同皮下注用100μg/0・5mL用、同皮下注用150μg/0・5mL用(MSD):有効成分のペグインターフェロンアルファ2b(遺伝子組み換え)を含有し、悪性黒色腫の術後補助療法の効能・効果を追加する。
未承認薬・適応外薬検討会議の開発要請品目。昨年に希少疾病用医薬品の指定を受けている。類薬には、フエロン注射用(インターフェロンベータ)がある。再審査期間は10年。海外では、米国を含む9カ国で承認されている。
報告品目
▽ジフルカンカプセル50mg、同カプセル100mg(ファイザー):有効成分のフルコナゾールを含有し、カンジダ属に起因する膣炎、外陰膣炎の効能・効果を追加した。150mgを1回経口投与する。
類薬には、オキナゾール膣錠、エンペシド膣錠などが承認されているが、既存薬は全て外用剤。経口剤の治療薬は初めてとなる。海外では、米国、英国、フランスなど107カ国で承認されている。
▽クラバモックス小児用配合ドライシロップ(グラクソ・スミスクライン):有効成分のクラブラン酸カリウムとアモキシシリン水和物を配合したドライシロップで、副鼻腔炎の効能・効果を追加した。海外では50カ国で承認されている。
▽シムジア皮下注200mgシリンジ(ユーシービージャパン):有効成分のセルトリズマブペゴル(遺伝子組み換え)を含有し、関節リウマチ(RA)を効能・効果に第一選択薬として投与可能となった。
早期RA患者に対する第一選択薬として投与可能な生物製剤は、アダリムマブ(遺伝子組み換え)に続き2剤目となる。海外でRAの効能・効果で第一選択薬としては、米国を含む8カ国で承認されている。
▽リツキサン注10mg/mL(全薬工業):有効成分のリツキシマブ(遺伝子組み換え)を含有し、CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫について他の抗癌剤と併用する場合の用法・用量、維持療法に用いる場合の用法・用量を追加した。
これまでリツキサンの承認用法・用量の単剤1週間間隔投与と、既存の化学療法剤を用いた併用療法「CHOPレジメン」での投与間隔である3週間間隔、維持療法としての使用方法に乖離があり、適応外使用で用いられてきた。
今回、こうした不整合を解消するため、B細胞性非ホジキンリンパ腫の効能・効果に対するリツキサンと他の化学療法剤との併用投与による寛解導入療法、リツキサン単剤による維持療法の用法・用量が追加申請され、承認が了承された。
▽ソル・コーテフ注射用100mg、同静注用250mg、同静注用500mg(ファイザー):有効成分のヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムを含有し、既存の効能であった喘息発作重積状態を削除するなど、他の気管支喘息治療薬と同じになるよう記載内容を整備した。
また、静注用250mg、静注用500mgの用量を追加した。未承認薬・適応外薬検討会議で公知申請が妥当と判断され、一部変更承認申請が行われた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が3件の薬の一部変更承認を審議、了承したというニュース。その中の一つ、「ジフルカンカプセル」はカンジダ膣炎に対する、初の経口治療薬とのことです。