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新薬6件を了承‐C型肝炎治療薬国内初の経口剤

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が6件の薬の承認を審議、了承したというニュース。その中の一つ、「ソバルディ」は、セログループ2型のC型慢性肝炎等に対する国内初の経口治療薬とのことです。

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は5日、ギリアド・サイエンシズが申請したC型肝炎治療薬「ソバルディ」、血管新生阻害作用を持つ抗癌剤で、初の胃癌適応となる日本イーライリリーの「サイラムザ」など6件の承認を審議し、了承した。ソバルディは、セログループ2型のC型慢性肝炎等に対する国内初の経口治療薬で、HCVの複製に関わるNS5Bポリメラーゼを阻害してウイルスの増殖を抑制する新規の作用機序を持つ。

 

▽サイラムザ点滴静注液100mg、同点滴静注液500mg(日本イーライリリー):有効成分のラムシルマブ(遺伝子組み換え)を含有し、治癒切除不能な進行・再発の胃癌を効能・効果とする。

同剤はヒト血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)‐2に対するモノクローナル抗体で、癌細胞周辺の血管新生を阻害することにより腫瘍の増殖を抑える。用法・用量は、2週間に1回、8mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。

再審査期間は8年。胃癌に対する効能・効果としては、米国でのみ承認されている。

 

▽シンフロリックス水性懸濁筋注(ジャパンワクチン):有効成分の沈降10価肺炎球菌結合型ワクチンを含有し、肺炎球菌(血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F)による侵襲性感染症および肺炎の予防を効能・効果とする。

再審査期間は8年。小児における肺炎球菌感染症に対するワクチン。同様の効能・効果を持つワクチンとしては、より広範な13種類の血清型に対する免疫応答を誘導する「プレベナー13水性懸濁注」がある。

海外では、欧州をはじめ、123カ国で小児を適応対象として承認されている。なお、米国では承認申請が行われていない。

 

▽ノボサーティーン静注用2500(ノボノルディスクファーマ):有効成分のカトリデカコグ(遺伝子組み換え)を含有し、先天性血液凝固第因子Aサブユニット欠乏患者における出血傾向の抑制を効能・効果とする。

同疾患は、先天性の出血障害で、先天性血液凝固第因子(F)Aサブユニットの量的・機能的な低下が特徴。国内の患者数は67例との報告があり、その95%が先天性FAサブユニット欠乏患者とされる。

同剤は国内初となる遺伝子組み換えFAサブユニット製剤で、欠乏したFAサブユニットを補充することにより、血液凝固カスケードを進行させ、止血を行う。

希少疾病用医薬品で、再審査期間は10年。承認条件として前例調査が付いた。海外では、2012年にカナダで承認され、14年8月時点で欧米など八つの国・地域で承認されている。

 

▽ソバルディ錠400mg(ギリアド・サイエンシズ):有効成分のソホスブビルを含有し、セログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を効能・効果とする。

同剤は、HCVの複製に関わるNS5Bポリメラーゼを阻害することにより、ウイルスの増殖を抑制する新規の作用機序を持つ。用法・用量は、400mgを1日1回、12週間経口投与する。

国内のC型慢性肝炎患者の70~80%がジェノタイプ1型、20~30%がジェノタイプ2型とされており、ジェノタイプ2型のC型慢性肝炎とC型代償性肝硬変患者は約11万人と推定されている。

ジェノタイプ2型への適用はないが、経口HCV薬のみの治療法としては、HCVNS5A阻害薬の「ダクルインザ錠」とHCVNS3/4Aセリンプロテアーゼ阻害薬の「スンベプラカプセル」の併用療法が承認されている。

再審査期間は8年。14年12月時点で米国、EUを含む38カ国で承認されている。

 

▽コペガス錠200mg(中外製薬):有効成分のリバビリンを含有し、ソホスブビルとの併用によるセログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の効能・効果を追加する。

ジェノタイプ2のC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変患者に対して、同剤とソバルディ錠との併用レジメンを施行された国内臨床試験に基づき、ギリアドがソバルディ錠の承認申請、中外がコペガス錠の一変申請を行っていた。

再審査期間は8年。海外では、他の抗HCV薬との併用にかかる効能で現在、欧州で審査中。

 

▽オルドレブ点滴静注用150mg(グラクソ・スミスクライン):有効成分のコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムを含有し、コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシェラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、アシネトバクター属(他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る)の各種感染症を効能・効果とする。

同剤は、グラム陰性桿菌感染症の治療に使用されていたが、腎機能障害や神経毒性の頻度が高く、新規の抗菌薬が開発されたことなどにより承認整理された。

現在、承認されているのは経口薬、外用薬、点眼薬のみだが、近年、多剤耐性グラム陰性桿菌による感染症が報告され、国内外の診療ガイドラインなどで同注射剤が治療薬として推奨されていることなどから、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で日本化学療法学会から開発要望が出ていた。

希少疾病用医薬品で再審査期間は10年。承認条件として全例調査が付いた。

 

1件の公知申請を了承

この日の部会では、厚労省の未承認・適応外薬検討会議で公知申請による用法・用量の追加が妥当と判断された1件の事前評価を行い、公知申請を行って差し支えないと結論づけた。部会の事前評価を終えた時点で保険適用されている。

 

▽タキソール注射液30mg、同注射液100mg(一般名:パクリタキセル):胃癌に対する用法・用量を追加。

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出典:薬事日報

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