薬剤師会

規制改革会議を厳しく批判‐薬剤師不在時の一般薬販売

薬+読 編集部からのコメント

日本薬剤師会の石井甲一副会長が2015年10月15日の定例会見で薬剤師不在時の一般薬販売についてを審議されていることに対し、危機感を示しました。薬剤師国試の新たな合格基準にも触れています。

日本薬剤師会の石井甲一副会長は15日の定例会見で、規制改革会議の健康・医療ワーキング・グループが「薬局における薬剤師不在時の一般用医薬品の取り扱い見直し」を新たな審議事項として位置づけたことに対して、「薬剤師会の立場からすれば言語道断。自分たちの存在そのものが不要という話につながる」と危機感を示した。

 

同会議は、一般薬を取り扱う薬局では、開店時間内は常時、調剤に従事する薬剤師が勤務することとされているため、在宅患者の服薬指導などで薬剤師が薬局を不在にする場合、調剤を行う場所だけでなく一般薬の販売に必要な場所も閉鎖しなければならない点を問題視している。

 

結果として、登録販売者がいても第2類薬、第3類薬の販売ができず、利用者の利便性を損ねていることや、在宅患者の服薬指導等のために薬剤師が薬局を不在にすることを難しくしているとの見解を示している。

 

石井氏は、「薬局には薬剤師がいるというのが前提。在宅医療があるから薬剤師がいなくてもいいというのは、話が飛んでいる」と指摘。

 

健康サポート薬局などでかかりつけ薬剤師・薬局の議論が進められている中で「薬剤師がいない薬局を認めろというのは全くおかしな話。このような議論が行われること自体、問題が大きすぎるし、危機感を持っている」と述べた。

新たな合格基準‐合格率低下の方法論

 

来年2月の薬剤師国家試験から適用される新たな合格基準について、「合格率を高めるためだけの議論ではなかったと信じている」とし、「関係者の合意のもとで出されたものなので、受け入れて、良い方向にいくよう、今後の推移を見ながら取り組んでいきたい」との考えを示した。

 

新たな合格基準は、医道審議会薬剤師分科会の国試改善検討部会の中間取りまとめを踏まえたもので、これまでの「得点率65%以上」から「平均点と標準偏差を用いた相対基準」に変更し、試験ごとに合格基準を決めるようにするほか、足切りの要件も緩和した。

 

石井氏は、6年制になってから4回の国試で合格率が低下している状況に触れ、「60%程度しか受からないというのは大きな問題」と指摘し、「その中の一つの方法論として、議論が重ねられ、国試の合格基準が見直された」との認識を示した。

 

その上で、「単に(基準を)緩くすればいいというものではない」とし、薬学教育が抱える根本的な問題について議論する必要性も指摘した。

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出典:薬事日報

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