処方せん

誤った体重で抗癌剤処方‐過量投与例に注意喚起

薬+読 編集部からのコメント

日本医療機能評価機構が、抗癌剤の投与について、同じ疾患で年齢の異なる小児患者や仮の体重数値のまま薬が投与された事例などを報告。関係者に注意を喚起しました。

日本医療機能評価機構は、抗癌剤を処方するときに患者の体重を正しく入力しなかったため、過量に投与された事例を15日付の「医療安全情報」で報告し、関係者に注意喚起した。


 

抗癌剤を処方するとき、患者の体重を正しく入力しなかったため、過量に投与された事例は4件。具体的には、医師がオーダリング画面で1歳の患者にオンコビン注射用の処方前に、同じ疾患、同じプロトコールで治療中だった3歳の患者の電子カルテを参照。

 

その後、参考にした3歳児の身長と体重で算出した体表面積に基づく薬剤量をそのまま1歳児に処方してしまったが、時間外の処方であったため、薬剤師で体重チェックが行われずに病棟に薬剤が交付され、看護師は指示通り調製し、医師が静注した。

 

あとで薬剤部が確認したとき、1歳児の身長と体重で計算した量よりも、実際の投与量が多いことに気づき、医師に問い合わせたものの既に投与を終えていた。

 

別の事例を見ると、外来時に医師は患者の体重が測定されていなかったため、「99kg」と仮の体重を入力し、その後変更するつもりでエルプラット点滴静注液を処方した。

 

投与当日、医師は処方の体重を「43・1kg」と修正したが、既に薬剤部で調製が終了しており、修正体重が反映されないまま患者に投与された。その後、薬剤師が投与量を再度計算し、患者の体重で計算した量と実際の投与量が違うことに気づいた。

 

こうした事例が発生した医療機関に対し、同機構は、レジメンオーダ時に体重を測定し、正しい値で処方を行うよう注意喚起した。

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出典:薬事日報

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