酸化マグネシウムで死亡例‐添付文書を改訂へ
厚生労働省は20日、協和化学工業の制酸剤「マグミット」(一般名:酸化マグネシウム)で死亡例が見られたことから、使用上の注意を改めるよう製造販売業者に指示した。
マグミットについては、添付文書の「慎重投与」の項に高齢者を追記し、高マグネシウム血症を起こし、重篤な転帰をたどる事例が報告されているため、投与量と共に、血清マグネシウム濃度を定期的に測定するよう注意を求めた。
また、「重要な基本的注意」の項でも、便秘症の患者で腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどることが見られるとし、必要最小限の使用にとどめ、嘔吐や徐脈、筋力低下が現れた場合は服薬を中止するよう注意を促した。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)によると、国内の直近3年間で、高マグネシウム血症に関連した症例が29例あり、うち因果関係が否定できない症例が19例、死亡例が4例あった。
国内症例を集積した結果、定期的な血清マグネシウム濃度の測定が行われておらず、意識消失等の重篤な症状が現れるまで高マグネシウム血症の発症に気づかない症例が多いことから、専門委員の意見も踏まえ、添付文書の改訂が適切であると判断した。
また、ブリストル・マイヤーズのC型肝炎治療薬「スンベプラカプセル」(アスナプレビル)と「ダクルインザ」(ダクラタスビル塩酸塩)については、添付文書の「重大な副作用」の項に、間質性肺炎が発症する恐れがあるとして注意を求めた。
そのほか、認知症薬「ガランタミン臭化水素酸塩」に横紋筋融解症を、前立腺肥大症治療薬「デュタステリド」に肝機能障害を、抗菌薬「ロキシスロマイシン」に偽膜性大腸炎を、それぞれの添付文書の「重大な副作用」の項に追記するよう指示した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
国内症例を集積した結果、酸化マグネシウム投与後の定期的な血清マグネシウム濃度の測定が行われていない症例が多いことから、添付文書の改訂が適切であると厚労省が判断したというニュースです。