医療費

高額レセでGE割合低く‐協会けんぽ調査で判明

薬+読 編集部からのコメント

全国健康保険協会(協会けんぽ)の調査で、高額レセプトではGE薬の使用割合が低いという状況が明らかになりました。差額通知の送付やGE薬の「希望シール」「希望カード」作成など、さまざまな取り組みも行われていますが、あまり浸透していない現状があるようです。

効果的な差額通知を

高額療養費の対象相当となる調剤レセプトのGE薬の使用割合を調べたところ、対象外のレセプトに比べて低い傾向にあったことが、全国健康保険協会(協会けんぽ)の調査で分かった。1カ月で2万6410点未満のレセプトでは使用割合が58・6%だったのに対し、2万6410点以上の高額レセプトでは34・5%にとどまった。厚生労働省が16日の全国関係会議で報告したもので、さらに高額療養費制度を利用する被保険者にも差額通知を送り、使用促進への前向きな対応を都道府県担当者に要請した。

 

協会けんぽは、昨年9月の1カ月分の調剤レセプトのうち、一般の高額療養費対象相当となる2万6410点(医療費で26万4100円)以上のレセプトを調べたところ、GE薬の使用割合が34・5%と、2万6410点未満のレセプトの58・6%に比べて低いことが分かった。

 

既に希望カードの配布については、2013年度に全47の広域連合で達成、差額通知の送付は43広域連合(91%)に達しているなど、多くの広域連合で一定の対象者に差額通知の送付が行われている。

 

厚労省は、協会けんぽの調査を踏まえ、全ての広域連合で高額療養費制度を利用する被保険者にもGE薬の利用差額通知を送るよう促し、「処方されている医薬品が保険診療でカバーされていること、その薬価を周知するなど、効果的な差額通知のあり方を検討してほしい」と要請。GE薬の使用促進に一層貢献する前向きな取り組みを求めた。

 

これまで全市町村が加入する後期高齢者医療広域連合は、健診以外の保健事業として、GE薬に切り替えた場合の薬代の自己負担軽減額を通知するGE薬利用差額通知の送付や、GE薬の希望を医師や薬剤師に伝えやすくする「希望シール」「希望カード」の作成、被保険者への配布等を行い、GE薬の使用促進に取り組んできた。

 

厚労省は、15年度予算案に約2億4000万円を計上し、引き続き同広域連合が行うGE薬の使用促進事業を支援することにしている。

 

今月中に全国の広域連合に通知を発出し、高額療養費制度を利用する被保険者に対し、さらにGE薬の使用促進を図るよう周知する予定である。

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出典:薬事日報

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