薬剤師会

【製薬各社に本紙調査】新入社員研修をウェブで実施~新型肺炎対策、採用説明会や面接も

薬+読 編集部からのコメント

年度始めのこの時期は、どこの企業でも慌ただしいものですが、新型コロナウイルス感染症の拡大が伴う今年度は、各企業が未曽有の対応に追われています。薬事日報社のアンケート調査によりますと、多くの製薬企業が新入社員研修や2021年3月卒学生に対する説明会・面接をウェブ対応へと切り替えていることが分かりました。全カリキュラムをテレビ会議などで実施し、在宅から研修を受けられるようにする処置をとっています。来年度の採用活動では説明会や1次面接を取りやめ、ウェブや電話での対応に切り替えている企業も多い模様です。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、製薬企業では新入社員研修や2021年3月卒学生に対する説明会・面接をウェブ対応に切り替えていることが本紙のアンケート調査で分かった。多くの企業が全てのカリキュラムをテレビ会議などで実施し、在宅から研修を受けられるようにした。それ以外の企業でも対面研修を最小限にとどめ、研修期間の短縮や職種別の分散研修などで感染拡大防止を図っている。一方、来年度の採用活動では説明会や1次面接を取りやめ、ウェブや電話での対応に切り替えているが、一部の企業では採用活動が遅れている状況にあるようだ。


アステラス製薬は2日から新入社員研修を実施し、ビジネスチャットツール「スカイプ」などのウェブを活用し、全てのカリキュラムを遠隔形式で実施・運営している。ファイザーも導入研修をウェブに切り替えた。例年は初日から3日間は全職種を対象に人事部門でオリエンテーションを集合型で実施し、4日目からは専属トレーニングチームによる導入研修を実施していたが、当面はウェブで実施する方針。

 

ツムラは東京都内の研修施設で実施予定だった集合研修を在宅研修に変更し、キッセイ薬品も在宅研修に切り替えた。参天製薬、第一三共、大鵬薬品やMSD、ノバルティスファーマなどもウェブ形式での研修を実施している。

 

協和キリンは2日から社宅や寮、自宅でリモート研修を開始した。教育研修は通常の内容から若干変更し、短縮した内容で実施する。毎朝、ビジネスチャットツールで出勤を確認し、研修終了後に日報を送付してもらう。リモート研修中に電話で1対1の面談を実施することで要望や不安を確認し、自宅での服装も何かあった際にはすぐに出勤できる状態で受講してもらうという。

 

研修期間の短縮や部署や職種ごとの分散形式で研修を行う企業もある。キョーリン製薬ホールディングスは入社時の研修を2週間強から期間を3日に圧縮して集合研修を実施し、その後は自宅でのウェブ研修に切り替えて行う。大日本住友製薬は感染防止の対策を講じた上で、ウェブ上で実施できる内容についてはウェブに変更して実施している。

 

大正製薬は全職種集合形式から職種別の分散形式に変更し、テレビ会議形式や在宅でのウェブ研修を併用している。一方、あすか製薬は入社式を1カ月程度延期し、導入研修の延期も決めた。

 

採用活動に対する影響では、サノフィが今年度、新薬上市を控えMR増員を予定しているが、「イベント停止の影響などから採用活動は多少遅れ気味。ビデオ面接をより有効活用して採用数を拡大していく予定」と回答した。ノバルティスファーマは状況に応じて次年度の採用活動を判断する方向。大日本住友製薬はエントリーシートの提出期限や適性検査の受験期限を延長した。

 

あすか製薬は1次面接をウェブ面接に変更し、個人面接や役員面接については4月中の実施を回避し、5月以降の実施で調整中。ファイザーも対面での説明会や面接を見送り、ウェブでの対応を決めた。ノボノルディスクファーマや大塚製薬、キッセイ薬品なども会社説明会をウェブ形式で開催する。

 

協和キリンは21年卒新入社員の採用活動について学内セミナーや合同説明会、自社主催セミナーを全てキャンセルし、代替としてウェブセミナーに変更して実施する。「一方通行の発信となるので、学生の企業理解は十分ではなく、内々定後に入社後のギャップがないようフォローしていくことが必要」と柔軟に対応していく方針を示している。

 

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出典:薬事日報

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