改正予防接種法が成立~コロナワクチン無料接種へ
新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種に関する内容を盛り込んだ予防接種法改正案が2日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。新型コロナウイルスを「臨時接種」の特例に位置づけ、国が接種費用を負担するほか、健康被害が生じた場合にかかる製薬企業の損失も国が補償する。
新型コロナウイルスに対するワクチン接種開始に備えた改正法では、同ウイルスの蔓延を緊急的に予防する必要がある疾患が対象となる「臨時接種」の特例に位置づけた。そのため、国が都道府県が通じて市町村に接種実施を指示するものの、接種にかかる費用は国が負担するため、患者の自己負担もない。
接種により健康被害が生じ、ワクチンの製造販売業者に賠償にかかる損失が発生した場合は、国が補償することとした。実際に健康被害が出た人への救済策として、高水準の救済給付を適用する。具体的には、障害年金1級として年間506万円、死亡一時金として4420万円などを設定している。
また、検疫法の改正案も全会一致で可決、成立した。新型コロナウイルスは現在、同法第34条の感染症の種類に位置づけられ、入国した感染者を隔離、停留できる。しかし、期限を来年2月13日までとしており、現状では延長できなかったため、改正により1年以内に限定して延長できるようにした。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
12月2日、参院本会議にて新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種に関する内容を盛り込んだ予防接種法改正案が全会一致で可決、成立しました。新型コロナに対するワクチン接種開始に備えた改正法では、同ウイルスの蔓延を緊急的に予防する必要がある疾患が対象となる「臨時接種」の特例に位置づけられます。国が接種費用を負担するほか、健康被害が生じた場合にかかる製薬企業の損失も国が補償することになります。実際に健康被害が出た人への救済策として、高水準の救済給付が適用されます。また、検疫法の改正案も全会一致で可決、成立しています。