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塩野義、新型コロナワクチンの臨床試験開始~国内メーカーで2例目

薬+読 編集部からのコメント

塩野義製薬が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの国内第1/2相臨床試験を開始したことを発表しました。同ワクチンはBEVS(昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術)を活用した遺伝子組換えタンパクワクチン。「冷蔵条件下での製剤中の安定性が一定期間確認されている」として、マイナス70~75℃での輸送・保管が必要なファイザー社のワクチンなどとの違いを強調しています。国内メーカーによる新型コロナワクチンの治験開始は、アンジェスに続き2例目となります。

塩野義製薬は12月16日、2020年内の臨床試験開始を目標に開発してきた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、国内第1/2相臨床試験を開始したと発表した。国内メーカーによる新型コロナワクチンの治験開始は、DNAワクチンを開発中のアンジェスに続いて2例目。

 

第1/2相試験は、少人数での安全性・忍容性を確認する第1相パートと至適用量を検討する第2相パートで、3週間間隔で2回接種した際の安全性、忍容性、免疫原性を評価するのが目的。200例以上の日本人成人を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の形で行う。

 

塩野義は、各パートの速報データを2021年2月末から順次取得し、それらの経過を踏まえ、さらなる安全性確認のための追加試験や第3相臨床試験の実施について厚労省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議・相談する方針。

 

■「冷蔵条件下での安定性が確認」

塩野義が開発中のワクチン(開発番号:S-268019)は、BEVS(昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術)を活用した遺伝子組換えタンパクワクチン。

 

組換えタンパクワクチンのメリットについて塩野義は「遺伝子情報そのものを投与し、体内で抗原タンパクを合成させるmRNAワクチン等の新規技術と比べ、抗原発現や精製に一定の開発期間を要するが、BEVSを活用したインフルエンザ予防ワクチンをはじめ、複数の製品が承認・実用化されている確立された技術。冷蔵条件下での製剤中の安定性が一定期間確認されている」と説明。マイナス70~75℃の超低温での輸送・保管が必要とされるファイザーのmRNAワクチンなどとの違いを強調している。

 

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出典:Web医事新報

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