既存店への調剤開設推進~デジタル基盤整備し効率化【ツルハホールディングス】
ツルハホールディングスの鶴羽順社長は、ウェブ上で開催した2021年5月期決算説明会で、今期の取り組みと方針に言及。調剤事業の戦略として、併設調剤の開局推進と売上構成比拡大を掲げた。店舗開発部門・採用部門と連携し、既存店舗への併設を中心に新規開局を進める考えだ。また、デジタル戦略として、デジタル基盤の整備・ITによる業務改善も挙げた。
鶴羽氏は、21年5月期を振り返り、「新型コロナウイルスの影響が長期化する中、生活や消費の変化に対応する店舗・サービスのあり方を追求し、その中でデジタル戦略の推進として主にスマートフォンのアプリ会員獲得を強化してきた」と説明。
「アプリダウンロード数として目標に掲げていた400万人には届かず、350万人強で終了したが、獲得会員の買上金額を伸ばすことができ、一定の効果は出せた」と評価した。
その他にも、ドラッグイレブンの子会社化、精肉・青果の展開による客数の押し上げ、くらしリズム(PB)の開発育成などに取り組んだことを挙げ、「今期も引き続き継続強化していく」と語った。
今期の取り組みについては、調剤事業戦略として併設調剤の開局推進と売上構成比拡大を掲げた。鶴羽氏は「例年より多めの新規開局となる91店舗を予定している」とし、「介護施設等から処方箋を応需するなど、在宅・居宅業務の推進も強化していく」との考えを示した。
さらに、「調剤機器の導入やシステム化による業務効率も図っていく」とした。調剤事業の売上構成比については10.1%となっており、調剤店舗併設率は28.2%と説明した。
デジタル戦略の面では、「デジタル基盤の整備・ITによる業務改善」に取り組むとし、鶴羽氏は「デジタルツールの導入、活用を通じて店舗業務の簡素化と接客機会の確保、本部業務の効率化を図っていく」と説明。デジタル化粧品台帳の活用や、ツルハで先行導入していたシフト作成支援システムの事業会社への導入スタートなどを挙げた。アプリ会員に関しては、「今期のダウンロード数の目標を700万人とし、さらなる会員登録を促進していく」と強調した。
子会社化したドラッグイレブンにも言及し、「今期も改装とスクラップ&ビルドによる既存店の活性化を図っていく」との考えを提示。全面改装10店舗、スクラップ&ビルド7店舗の計画を述べた。
鶴羽氏は「ドラッグイレブンは今期も含め約3年間で60~70店舗の全面改装、スクラップ&ビルドの予定を立てている」とし、「あと1~2年の業績は踊り場状態になると思うが、既に直近で食品導入などの改装を行った店舗は効果が出始めており、改装、スクラップ&ビルドは必ず業績に貢献していくものだと思っている」と話した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
ツルハHDの鶴羽社長は、ウェブ開催の2021年5月期決算説明会にて、今期の取り組みと方針に言及。調剤事業の戦略として、併設調剤の開局推進と売上構成比拡大を掲げました。店舗開発部門・採用部門と連携し、既存店舗への併設を中心に新規開局を進める考えです、またデジタル戦略として、デジタル基盤の整備・ITによる業務改善も挙げつつ「新型コロナウイルスの影響が長期化する中、生活や消費の変化に対応する店舗・サービスのあり方を追求し、その中でデジタル戦略の推進として主にスマートフォンのアプリ会員獲得を強化してきた」と21年5月期を振り返りました。