出荷調整の連鎖止まらず~医薬品供給に依然混乱
後発品メーカーなどによる出荷調整が連鎖的に相次いでいる。20日時点の直近では、8社による出荷調整や供給の一時停止が発表されており、医薬品供給の混乱が依然続いている状況である。各社の出荷調整状況は、次の通りとなっている。
■サンド
抗リウマチ薬「メトトレキサートカプセル2mg『サンド』」について、出荷調整を行うと発表した。海外原薬製造所のライン閉鎖に伴い、原薬の変更を進めてきたが、一部の品質試験において従来品との同等性が認められなかったことから、次回入荷のメドが立たず安定供給に支障を来すことが判明したためとしている。同剤の在庫がなくなり次第、出荷を一時停止する。
■辰巳化学
同社が販売する解熱鎮痛剤「アセトアミノフェン錠200mg『TCK』」について、一時出荷を停止すると発表した。製造委託先の企業において同剤の製造、出荷の遅延が発生していることから、今後安定供給に支障を来す事態が想定されるとして、出荷の一時停止を決めた。
■寿製薬
鎮痙剤「エペリゾン塩酸塩錠50mg『KO』」について出荷調整すると発表した。他社による出荷停止、出荷調整の影響を受け、十分な在庫を確保できていないためとしている。
■共和薬品
抗てんかん薬「バルプロ酸ナトリウムSR錠100mg『アメル』」について、他社製品の出荷調整の影響により、出荷調整を行うと発表した。また、抗真菌薬「フルコナゾールカプセル100mg『アメル』」の供給を一時停止すると発表した。製造委託している製造所で自己点検を行った結果、製品の入庫に遅延が発生することが判明したためとしている。
また、抗うつ薬「ミルタザピン錠15mg『アメル』」についても他社製品の出荷調整の影響により、出荷調整を行う。
■ファイザー
ロイコトリエン受容体拮抗薬「モンテルカスト細粒4mg『ファイザー』」の28包、140包について、出荷調整を行うと発表した。他社製品の出荷調整等の影響を受けているほか、製造の前倒しが難しく在庫が一時的に欠品するためとしている。安定供給再開時期については9月上旬を予定している。
また、抗癌剤「パクリタキセル点滴静注液100mg/16.7mL『ホスピーラ』、同30mg/5mL」についても出荷調整を行うと発表した。
他社の同種同効薬の出荷調整の影響を受けた措置。安定供給再開時期については未定としている。
■鶴原製薬
抗血小板薬「シロスタゾールOD錠50mg『ツルハラ』、同100mg」、抗精神病薬「クロルプロマジン塩酸塩錠25mg『ツルハラ』」について、出荷調整を行うと発表した。原薬メーカーからの原料入手が大幅に遅延しているためとしている。
■日本ジェネリック
H2受容体拮抗剤「ラフチジン錠5mg『JG』、同10mg」、持続性カルシウム拮抗剤「ニフェジピンL錠20mg『サワイ』」の出荷調整を行うと発表した。他社製品の出荷調整の影響によるものとしている。
■Meiji Seika ファルマ
持続性アンジオテンシンII受容体拮抗剤/利尿薬合剤「ロサルヒド配合錠LD『明治』、同HD」、ニューキノロン系経口抗菌薬「トスフロキサシントシル酸塩小児用細粒15%『明治』」の出荷調整を行うと発表した。他社製品の供給停止による急激な需要増によって在庫がなくなる見通しとなったためとしている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
連鎖的に後発品メーカーなどによる出荷調整が相次いでいます。8月20日時点の直近では、8社もの出荷調整や供給の一時停止が発表されており、医薬品供給の混乱は依然として続いています。今記事ではサンド、辰巳化学、寿製薬、共和薬品、ファイザー、鶴原製薬、日本ジェネリック、Meiji Seika ファルマ各社の出荷調整状況をお伝えします。