薬剤師会

【コアカリ改訂で議論】代表的8疾患の見直しを~OTCも追加すべきと要望

薬+読 編集部からのコメント

2月7日、薬学系人材養成のあり方に関する検討会の下部組織である文科省の「薬学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会」初会合が開催。実務実習を受け入れる側の日本病院薬剤師会からは、現行コアカリで提示されている「代表的な8疾患」の見直しなどが求められました。日本薬剤師会からは、セルフメディケーション支援に関する実習が比較的実施できていない現状を踏まえて、OTC等に関する項目の充実を訴えるなど、現場の視点から2022年度改訂に対する要望が相次ぎました。

文部科学省の「薬学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会」の初会合が7日に開かれ、実務実習を受け入れる側の日本病院薬剤師会からは、現行コアカリで提示されている「代表的な8疾患」の見直しなどが求められた。日本薬剤師会からは、セルフメディケーション支援に関する実習が比較的実施できていない現状を踏まえ、OTC等に関する項目の充実を訴えるなど、現場の視点から2022年度改訂に対する要望が相次いだ。

 

同委員会は薬学系人材養成のあり方に関する検討会の下部組織。22年度改訂予定のコアカリの原案・方針を作成する役割を担い、今秋をメドに素案を決定する予定としている。

 

初会合では、日本病院薬剤師会、日本薬剤師会、全国薬害被害者団体連絡協議会から現行コアカリと改訂コアカリに対する考えをヒアリングした。

 

日病薬は、実務実習で癌や高血圧症など代表的な8疾患の患者に継続的に関わることを現行コアカリで求めていることについて、季節性や地域性、病院の特徴等を考慮し、癌、循環器疾患、感染症などを必須とし、他に重要な疾患があれば対象にするよう求めた。

 

表を用いて学習達成度を評価するルーブリック評価については、レベル4の「薬剤師の目指すべき使命を実現できる段階」が実習に求める内容を超えていて現実的ではないと指摘したほか、卒前・卒後の一貫した教育を評価する指標も必要とした。

 

日薬は、19年度第I・II期の薬局実務実習受入薬局へのアンケート調査結果から抽出した課題に言及。

 

参加・体験型の実習に関して、調製や服薬指導など保険調剤に比べて、セルフメディケーション支援の実践、薬物療法の実践、在宅医療の実践などで、「あまりできなかった」「どちらかといえばできなかった」との回答が多いとした。

 

大学主体となって病院との連携が取れたかについては、「どちらかといえばできなかった」「あまりできなかった」で計72%を占めた。

 

これらを踏まえ、多職種連携、OTC、患者とのコミュニケーションスキルなどを現行コアカリに追加・充実が必要な項目として挙げた。さらに、国家試験対策に注力しすぎず、臨床で活躍できる薬剤師を育成するため、最新の臨床経験が豊富な教員による指導、実務家教員の育成も十分に行うべきとした。

 

鈴木匡委員(名古屋市立大学大学院薬学研究科教授)は、「改訂コアカリでは、薬剤師がどんな能力を身に付けているべきか、どんな能力を地域に提供できなければならないかを方向性として示すべき」と述べ、教員に対しては「臨床系教員とか患者に寄り添った教育ができる人でなければならない」と求めた。

 

セルフメディケーション支援に関する実習ができなかった薬局が目立ったことについて、平井みどり委員(兵庫県赤十字血液センター所長)は「病気にかかってから薬剤師が接するモデルを踏襲している限り、セルフメディケーションの実施は難しい。健康サポート機能を発揮し、罹患する前に攻める考えを打ち出してほしい」と訴えた。

 

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出典:薬事日報

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