医療機器

都内初、ドローンで薬配送~来年度に目視外飛行実現へ

薬+読 編集部からのコメント

2月16日、東京都のドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクトの一環として、JALとKDDI、ウェザーニューズ、テラドローン、JR東日本が医薬品卸のメディセオと聖路加国際大学、聖路加国際病院の協力を得て、都内で初めて隅田川に架かる永代橋など複数の大橋をドローンで横断する医薬品配送の実証実験を行いました。配送中の品質や多頻度運航が可能であるかの検証を行い、2022年度には「有人地帯における補助者なしでの目視外飛行」(レベル4)の実現を目指す方針です。

日本航空など5社が実証

 

日本航空とKDDI、ウェザーニューズ、テラドローン、東日本旅客鉄道は16日、医薬品卸のメディセオと聖路加国際大学、聖路加国際病院の協力を得て、都内で初めて隅田川に架かる永代橋など複数の大橋をドローンで横断する医薬品配送の実証実験を行った。配送中の品質や多頻度運航が可能であるか検証を行い、来年度には「有人地帯における補助者なしでの目視外飛行」(レベル4)の実現を目指す方針だ。

実証実験は、東京都のドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクトの一環。KDDIと日本航空が中心となり、医薬品配送や駅周辺エリアを中心としたドローン物流サービスの構築を検討している。

 

2022年度に改正航空法で法施行が予定されている「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」を見据え、緊急時・災害時における医薬品配送拠点と医療機関に対する医薬品のドローン配送の実証を行った。

 

飛行方法は「補助者あり目視外飛行」(レベル2)で、離着陸地点、緊急着陸地点に1~2人ずつ、三つの橋それぞれに1~2人の補助者リーダーと4~8人の補助者の計26人を配置。ドローンによる医薬品配送ガイドラインに沿って配送中の温度変化や固定状況を検証すると共に、配送回数など多頻度運航や発注から納品までの所要時間・プロセス、運航体制を検証した。

 

模擬医薬品が入った箱を搭載したドローンは、メディセオ新東京ビルから聖路加国際病院までの約2kmを飛行した。隅田川の川上から永代橋、中央大橋、佃大橋を横断し、橋に歩行者がいた場合には「ホバリング」と呼ばれる空中での停滞飛行で安全に航行した。

ドローンは約10分間の飛行を終え、聖路加国際病院付近に着陸した。医薬品が入った箱は補助者によってドローンから取り外された後、聖路加国際病院薬剤部のスタッフに手渡され (写真右)、その場で開封が行われた。

 

日本航空デジタルイノベーション本部エアモビリティ創造部の田中秀治マネージャーは同日、記者団に対し、「各行政機関、自治体、歩行者など地元の協力があってできた。無事に着陸できて安心している」と述べた。

 

今後のビジネス展開に向けては、「営業時間8時間で10回は配送できる。複数のドローンを飛ばせば無限大になっていく。メディセオと聖路加国際病院と検証していきたい」と語った。

 

聖路加国際病院の後藤一美薬剤部長は、「平時でも1日に4回の緊急配送が発生する。(病院内の)限られたスペースで医薬品を保管することがロスにつながり、管理コストもかかってくる」と述べ、ドローンを活用した医薬品配送の利点を説明。

 

ドローンによる配送に適した医薬品は「高額で緊急性がある、常時使われない薬剤」とし、成長ホルモンや血友病治療薬、希少疾病薬などを挙げた。

 

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出典:薬事日報

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