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第107回薬剤師国試、合格率は68.02%~例年並みも13校で5割切る

薬+読 編集部からのコメント

3月24日、厚労省が第107回薬剤師国家試験の結果を発表。受験者数1万4,124人のうち合格者は前回より27人少ない9,607人とほぼ変化がありませんでした。合格率は0.64ポイント減の68.02%、合格ラインは前回よりも4点高い434点でした。大学別合格率を見ると、90%を超えたのは5校で前年から2校増え、50%を下回ったのが13校と5校増加。各大学別の合格率を見ると、一部大学では16年度入学者数に対するストレート合格率との乖離が生じている可能性もあり、厚労省は「危惧している」とコメントしています。

厚生労働省は24日、第107回薬剤師国家試験の結果を発表した。受験者数1万4124人のうち合格者は前回より27人少ない9607人とほぼ変わらなかった。合格率は0.64ポイント減の68.02%、合格ラインは前回より4点高い434点だった。厚労省は「6年制新卒と既卒共に合格者数・合格率は前回と同じ水準となった。問題の難易度も標準的ではないか」と考察している(表参照)。

 

6年制新卒者の合格者は7386人で合格率は85.24%、6年制既卒は2126人で40.75%だった。新卒者は前回の85.55%から0.31ポイント、既卒者は0.54ポイント低下した。

 

合格率を男女別に見ると、男性が63.67%、女性が70.78%だった。また、大学の設置主体別の合格者数は、国立が535人(合格率84.38%)で、そのうち6年制新卒が444人(91.55%)、6年制既卒が35人(55.56%)、その他(旧4年制卒、受験資格認定者)が56人(65.12%)だった。

 

公立は226人(81.00%)で、そのうち6年制新卒は196人(90.32%)、6年制既卒が9人(29.03%)、その他が21人(67.74%)。私立は8846人(66.96%)で、6年制新卒が6746人(84.72%)、6年制既卒が2082人(40.64%)、その他が18人(14.52%)だった。

 

大学別に合格率を見ると、90%を超えたのは5校で前年から2校増え、50%を下回ったのは13校と5校増加した。合格率が最も高かったのは金沢大学の95.24%で、名城大学が92.51%、徳島大学が91.94%、昭和大学が90.95%、医療創生大学が90.57%と続いた。新卒の合格率100%は東京大学の1校となった。

 

各大学別の合格率を見ると、一部大学では16年度入学者数に対するストレート合格率との乖離が生じている可能性もあり、厚労省は「危惧している」とコメントした。

 

一般問題(薬学理論問題)の問98については、問題としては適切だが、受験者の正答率と識別指数等を考慮して全員合格としたほか、一般問題(薬学実践問題)の問328も選択肢が不適切で正解が得られないため、全員合格との取り扱いとした。

 

1万5609人の出願者数に対し、受験者数は1万4124人と何らかの理由で受験をしなかった人は1485人となり、前回から164人減少した。コロナ罹患者は受験不可とされたが、例年に比べて欠席者が増加するような状況はなかったようだ。

 

今回の試験から出願後に留年となってしまった卒業資格がない学生の受験を認めた。合格基準に達していても合格は認めない“お試し受験”で、人数は公表していないものの、一定数の受験があったという。

 

昨年に行われた「薬剤師の養成および資質向上等に関する検討会」での取りまとめでは、基礎科目は4年次までに理解させ、試験では実務に即した思考力を判定する問題を充実させるなど国試の変革が提言されている。

 

厚労省は「まだ具体的な話にはなっていない。文部科学省は薬剤師の需給問題、厚労省は薬剤師のあり方を議論しているので、その方向性が見えてくれば教育にフィードバックされていく」としている。

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出典:薬事日報

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