原材料高騰影響で増収減益~22年12月期中間決算【小林製薬】
小林製薬の2022年12月期中間決算は、売上高は前年同期比6.3%増の712億円、営業利益3.6%減の99億円、経常利益1.7%減の109億円、当期純利益2.3%減の77億円の増収減益となった。売上高は為替の影響で増収となったが、原材料高騰の影響や広告宣伝費増加により減益となった。
国内事業売上は2.1%増の532億円を達成。新型コロナウイルスによる影響で「のどぬーるスプレー」と「熱さまシート」などヘルスケアや日用品が好調で、新製品とカイロが好調だったが、スキンケア製品が売上を落とした。
国際事業は売上高は32.3%増の135億だった(為替の影響を除くと120億円)。米国はカイロと熱さまシートが好調。中国は新型コロナのロックダウンの影響もあったが円安が影響し、プラスで推移した。中国香港は内需が好調で増収となった。東南アジア各国で新型コロナ対策、インフルエンザの発熱対策で熱さまシートやアンメルツの新商品が伸長が大きく伸長した。
通期は売上高4.3%増の1620億円、営業利益3.6%増の270億円、経常利益0.7%増の282億円、当期純利益2.5%増の202億円を見込んでいる。
来年以降値上げへ‐全カテゴリーで実施
3日に開いた決算説明会で小林章浩社長は、今期の原材料等の高騰の影響で「期初想定よりも23億円増のコストアップとなる見通し」であることを説明。想定外のコストアップ分について「生産性向上や物流効率化など自助努力だけで吸収することが困難な状況」とし、原材料の値上げが著しい2品目「トイレ洗浄中」と医薬品で筋肉弛緩成分配合「コリホグス錠」をそれぞれ11%と6%の値上げを10月から実施することで商談を開始した。
小林氏は「これだけでは足らないことから、来年春以降も順次、値上げが必要だと考えている」とし、全カテゴリーで行っていく考えを示した。
小林氏は、2030年に売上高900億円達成を目指す国際事業についても言及。「目標の900億円を超えるべく新製品を多数準備し発売している」とし、北米、中国・香港、アジアなどで新製品を導入し育成に取り組む方針。
国内の日用品事業部内に「グローバル洗浄カテゴリー」を創設。国際事業向け製品として、手洗いが設置されていないトイレタンクで使用できる「中国版ブルーレット」を第1号製品として発売。今月からECでテスト販売を開始している。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
小林製薬の2022年12月期中間決算によると、売上高は前年同期比6.3%増の712億円、当期純利益2.3%減の77億円の増収減益となりました。為替の影響で売上高が増収となったものの、原材料高騰の影響や広告宣伝費増加により減益となっています。国内事業売上は2.1%増の532億円を達成し、新型コロナウイルスによる影響で「のどぬーるスプレー」「熱さまシート」などヘルスケアや日用品が好調となりました。