医療

【23年版MR白書】MR総数が5万人割れ~薬剤師資格者は過去最低

薬+読 編集部からのコメント

「2023年版MR白書」(7月18日にMR認定センターが公表)によりますと、2022年のMR数は前年より2,166人減の4万9,682人と、5万人を下回り、9年連続の減少となりました。市場の中心となる製品が多数のMRによる活動を必要としない癌や中枢神経などスペシャリティ薬となったことに桑、情報提供チャネルの多様化もあり、MR数の減少が進んだと見られています。

MR認定センターが18日に公表した「2023年版MR白書」によると、22年のMR数は前年より2166人減の4万9682人と、5万人を下回った。9年連続の減少となった。降圧薬など同種同効薬が多かった生活習慣病治療薬について多数のMRが活動を展開した「シェア・オブ・ボイス(SOV)」の時代から、市場の中心となる製品が多数のMRによる活動を必要としない癌や中枢神経などスペシャリティ薬となったことに加え、情報提供チャネルの多様化もあり、MR数の減少が進んだと見られる。また、かつて全体の約1割いた薬剤師資格保有MRの割合は8.7%と過去最低になった。

MR数は3月31日時点のもの。同センターが4月に製薬企業、CSO、卸の200社を対象に調査し、全てから回答を得てまとめられた。MR数は02年にかけて5万人台へ突入し、13年には6万5752人とピークに達した。その後減少が続き、今回の22年はピーク時から1万6070人減り、4万人台となった。

 

同センターは、今回の結果について「一時期の同種同効薬の競争激化とSOV獲得を背景に膨れ上がったMR数が適正レベルにまで落ち着いたとも考えられる」との見解を述べている。

 

減少傾向の中で、同センターはMRが担う役割について、▽医薬品が患者にとって適正に使用されるための情報活動を通じ、医薬品を普及すること▽市販後の有効性・安全性および品質に関する情報の収集と伝達をすること▽創薬・適応拡大などに役立つ幅広い情報入手にも努め、新薬の誕生ならびに適応拡大に寄与すること――は変わっていないとの認識を示している。

 

実際、CSO所属のコントラクトMR(CMR)数は増加傾向にある。18年の3614人から一貫として増加し、22年は4409人と4000人台に乗せた。製薬企業は本体のMR数を適正化し、固定費を抑えつつ、新薬上市など製品ポートフォリオの変化に応じて外部委託し、全体として必要な情報収集・提供活動を確保することが一般的になってきている。

 

一方で、MR以外の情報提供チャネルの多様化も進んでいる。同センターは、「情報提供チャネルの多様化と効率化がどこまで影響するか、安全性情報収集の観点からも今後の動向が注目される」としている。

 

新卒採用社は71社(35.5%)、未採用社は129社(64.5%)だったが、注目されるのは、71社の中の4社がMR認定試験合格者4人を採用していること。学生受験の合格者をMRとして採用していた。

 

現行制度では、学生でもMR導入教育実施機関が提供するプログラムを受講・修了すれば受験資格が得られ、認定試験を受験できるようになっており、同センターは「今後この人数が増加することを期待したい」としている。

 

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出典:薬事日報

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