送料無料で医薬品配送開始～薬局開局して新規参入　GMOヘルステック

同社は、9月に東京渋谷区内に開局した保険薬局「薬局24」を運営している強みを生かし、当面は1日処方箋100枚の応需を目指す。都内をサービス提供エリアとし、将来的には調剤から薬の配送まで行える工場を設立し、提供エリアを拡大していく。

GMOヘルステックは、GMOインターネットグループGMOフィナンシャルホールディングス子会社で1月に設立した。処方薬デリバリーサービスは、GMOクリニック・マップで希望する日時を予約し、自宅など好きな場所で薬剤師によるオンライン服薬指導を利用できる。既に同社ではオンライン診療サービスを提供しており、オンライン服薬指導とワンストップで提供が可能だ。

患者は医療機関受診時、処方箋を受け取る前に薬局24のオンライン服薬指導を利用する意向を伝え、GMOクリニック・マップでのオンライン服薬指導の予約画面を医療機関に提示すると、医療機関から処方箋が薬局24に送付される。

薬局24の薬剤師は4人で、ロボットでスピード調剤を行える体制を持つ。在庫している医薬品は約1000種類。同サービスの本格提供開始により、1日に処方箋応需枚数100枚を目指しているという。医薬品の配送は日本郵便のゆうパックやゆうパケットで対応し、最短当日配送も可能とした。

ターゲット層は「小さい子供がいて薬局までの移動・待ち時間を減らしたい人」「アレルギーや慢性疾患などで定期的に服薬が必要な人」を挙げ、急性期疾患の薬剤は扱わない。

福留理社長は6日の記者会見で、自社サービスの強みについて「自前で薬局を運営していること」を挙げた。アマゾンなどのプラットフォーマーは調剤薬局チェーンと手を組み、患者から処方箋を受け付けてインターネット上から近くの薬局を選んでもらうプラットフォームを提供し、薬局から手数料を受け取る収益構造となっているが、自前でのサービス提供で差別化を図る。

オンライン診療・服薬指導の利用率が低調である中、オンライン診療を受けた患者だけではなく、対面診療を受けた患者をオンライン服薬指導の対象患者として掘り起こす。福留氏は「病院・クリニックでの診察を受けた患者でも薬局での待ち時間を考えて自宅で薬を受け取りたい患者は一定数いる」と話す。

また、通常の薬局では営業時間内にオンライン服薬指導を行うことが一般的だが、営業時間外でのオンライン服薬指導にも対応するとしている。

当面は薬局24からの医薬品の配送となるが、処方箋を多く応需できるようになった段階で「郊外に工場を設立して、そこからどんどん発送できるようにしていきたい」と展望を語った。

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