【診療報酬改定案を答申】薬剤レビューに1000点設定 ~ DgSとチェーン薬局で明暗 中央社会保険医療協議会
中央社会保険医療協議会は2026年度診療報酬改定案を取りまとめ、13日の総会で上野賢一郎厚生労働相に答申した。調剤報酬では、「調剤基本料1」と「調剤基本料3-ハ」を現行から2点引き上げ、その他の基本料は1点増とし、評価にメリハリをつけた。6月以降に新規開設した都市部の門前薬局、密集薬局、医療モール内薬局で処方箋集中率が高い場合に適用される「門前薬局等立地依存減算」は15点の減算とした。現在の算定状況を見ると、調剤基本料3-ハを算定するドラッグストアは評価され、かかりつけ薬剤師指導料を多く算定し、医療モール薬局を抱える調剤チェーン薬局には厳しい改定になったと見られる。
門前依存は15点減算
かかりつけ薬剤師指導料の撤廃に伴い新設された「服用薬剤調整支援料2」(6カ月に1回算定可)は、上田薬剤師会などが実践してきた薬剤レビュー業務を算定要件とし、1000点の高い点数が設定された。他の改定項目とは異なり、来年6月に施行される。
26年度改定では、診療報酬本体で3.09%のプラス改定となり、そのうち政策改定分は0.25%となった。賃上げや物価上昇分を除いた調剤報酬は0.08%のプラスで、その財源は主に基本料の引き上げに充てられた。特筆すべき点に、調剤基本料3-ハが2点増となったことが挙げられる。チェーン薬局に比べ、地方に出店し面分業を推進してきたドラッグストアにとっては恩恵の大きい改定になったと見られる。
基本料1の算定が多い個店薬局は守られた一方、医療モール内の複数医療機関に対する処方箋集中率の計算方法が変更になったことで、モール内薬局を運営する調剤チェーンには影響が及びそうだ。
門前薬局等立地依存減算は15点の減算となり、調剤基本料3-ロ(19点)の該当薬局が適用を受けた場合は4点となる。基本料の届出を行っていない特別調剤基本料B(3点)の算定薬局よりもわずかに高い水準で、減算幅は絶妙なラインに設定された。
服用薬剤調整支援料2の1000点は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の「ハ(深夜訪問加算)」と並び調剤報酬の評価項目として最も高い点数となる。服用薬剤調整支援料1(125点)との点数差を大きく広げ、対人業務評価の目玉の一つとなる。
算定は1人の患者につき6カ月に1回、1人の薬剤師につき4人の患者まで可能とする。厚労省は「多くの薬局が算定を目指せるよう敢えて四桁という高い点数にした」と説明する。一方で、「薬剤師が身につける知識などの要件をかなり厳しくしているため、算定施設は限られるのではないか」との見方を示す。
また、かかりつけ薬剤師指導料(76点)、同包括管理料(291点)を廃止し、かかりつけ薬剤師として実施した業務内容に応じた新たな評価を設ける。電話等による服薬や残薬状況の継続的な確認を評価する「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算」(50点)や、患家訪問による服薬管理、残薬確認、医療機関への情報提供を評価する「かかりつけ薬剤師訪問加算」(230点)を新設する。
算定回数のノルマ化や定型的な同意取得で形式的に算定してきた薬局は、かかりつけ薬剤師として実施した業務が評価されるため、算定のハードルは上がりそうだ。
地域供給加算1が27点
また、後発品調剤体制加算は撤廃し、同加算と地域支援体制加算を統合した「地域支援・医薬品供給対応体制加算1」を27点とした。「同加算2~5」は現行の地域支援体制加算1~4にそれぞれ27点を上乗せし、59点、67点、37点、59点とする。
同加算1の施設基準に後発品調剤割合「85%以上」を求めるほか、他の薬局への医薬品分譲実績、返品や過度な値引き交渉を慎むこと、原則として単品単価交渉を行うことなどを要件とした。
多くの薬局が後発品調剤体制加算3(30点)を算定している中、地域支援・医薬品供給対応体制加算1への統合は実質的な減算となる。さらに、加算2~5を算定するためには従来の地域支援体制加算になかった加算1の要件を満たす必要があり、同加算を算定できるかが今後の薬局経営を左右する重要なポイントとなりそうだ。
薬局薬剤師の賃上げに対応した調剤ベースアップ評価料は26年度が4点、27年度は8点で、1人薬剤師の薬局は算定できない。物価上昇に対応した「調剤物価対応料」は26年度が1点、27年度は2点とした。
在宅分野では、薬局の在宅医療提供体制を評価する在宅薬学総合体制加算1を現行の15点から30点へ引き上げた。ターミナル期や小児在宅患者に対応した薬局を評価する同加算2は、イ(個人宅)を100点とし現行の2倍に増点する一方、ロ(施設)は50点に据え置き、個人在宅と施設在宅の評価を明確に差別化した。
バイオ後続品の使用促進に向け、薬局における調剤体制整備を評価する「バイオ後続品調剤体制加算」(50点)を新設し、バイオ後続品を調剤した場合に算定可能とした。
病棟加算1は300点に
26年度改定では病院に多くの財源が配分されたため、病院薬剤師の病棟業務にも高い評価が付いた。転院時または退院時における施設間での文書による薬剤情報連携を要件に追加した「薬剤総合評価調整加算」は、現行の100点から160点に引き上げる。
病棟薬剤業務実施加算では、薬剤総合評価調整や退院時薬剤情報管理指導で一定の実績がある場合の上位評価として「同加算1」を新設し、現行の120点から300点へと大幅に増点した。病院薬剤師業務に関する改定は当初、小幅と見られていた。薬剤総合評価調整の実績を積み上げ、病棟薬剤業務実施加算1と薬剤業務向上加算(週1回、100点)を算定する施設は、入院患者1人につき400点を算定できるため、病院薬剤部にとっても大きな改定になると見られる。
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出典:薬事日報



薬+読 編集部からのコメント
中央社会保険医療協議会が2026年度診療報酬改定案を取りまとめ、上野厚労相に総会で答申しました。調剤報酬では、「調剤基本料1」と「調剤基本料3-ハ」を現行から2点引き上げ、その他の基本料は1点増とし、評価にメリハリがつけられています。