炭酸リチウム妊婦投与可に ~ 添付文書改訂案を了承 薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は25日、大正製薬の躁病・躁状態治療剤「リーマス錠」(一般名:炭酸リチウム)について、「禁忌」の項目から妊婦等を削除する添付文書改訂案を了承した。医療上の必要性から妊婦への投与を継続する現場の実態を考慮したもの。厚生労働省は、製造販売業者に改訂を指示する。
具体的な改訂内容として、禁忌の項目から、妊婦または妊娠している可能性のある女性を削除。「妊婦」の項目には、妊婦または妊娠している可能性のある女性には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこととする注意喚起を追記する。
また、精神科医、周産期医療を担う医師が緊密な連携を行った上で、双極症治療の知識・経験を持ち、同剤のリスク等を十分に管理・説明できる医師が妊婦に投与の適切性を判断する注意喚起も記載する。妊婦により血清リチウム濃度が変化し、治療効果に影響が見られるため、血清リチウム濃度を頻回に測定して患者の状態に十分注意することも記すこととした。
今回の改訂内容は、国立成育医療研究センターの作業部会が妊娠と薬情報センターで収集した情報をもとにまとめた報告書を踏まえ、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が調査結果として取りまとめたもの。
同剤は開発時に動物実験で催奇形性が報告されていたこと、ヒトでも先天性心血管異常の発生頻度増大が報告されていたため、妊婦等に投与しないこととし、先発品の承認時から禁忌に設定されている。
妊娠中に同剤の曝露を受けた妊婦の先天異常への影響に関する文献が抽出され、心奇形リスク上昇の可能性が一定程度示唆される一方、各文献で結果にバラツキが見られると報告された。国内ガイドラインでは投与中止が難しい妊婦では十分な血中濃度の管理を前提に使用が許容されることが記載されている。
米国など4カ国の添付文書では、やむを得ず妊婦に使用する場合は妊娠中において血清リチウム濃度を頻繁に観察して適切に用量調整を行う必要があることなどが記載されている。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
大正製薬の躁病・躁状態治療剤「リーマス錠」(一般名:炭酸リチウム)について、薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が「禁忌」の項目から妊婦等を削除する添付文書改訂案を了承しました。