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【NPhA】薬局・薬剤師ビジョン2040策定 ~ 処方箋集中率評価転換を 日本保険薬局協会

薬+読 編集部からのコメント

日本保険薬局協会(NPhA)が「薬局・薬剤師ビジョン2040」をまとめ公表。厚労省が示した患者のための薬局ビジョンから10年が経過する中で、「十分な総括がなされていない」との問題意識から準備を進め、策定に至りました。

日本保険薬局協会(NPhA)は9日、「薬局・薬剤師ビジョン2040」をまとめ公表した。厚生労働省が示した患者のための薬局ビジョンから10年が経過する中で、「十分な総括がなされていない」との問題意識から準備を進め、策定に至った。ビジョンでは薬局が立地に依存せず、質の高い機能提供と成果(アウトカム)の創出を目指す制度設計を提言している。田中義寛常務理事(メディカルシステムネットワーク)は同日の会見で、「薬局が何をやったかという成果で評価されるべきだ。処方箋集中率だけで評価する仕組みからの転換が必要」と訴えた。

 

ビジョンは、医療需要が増加する一方で医療資源が減少する40年を見据え、「会員に向けた行動指針であると同時に、業界、行政、国民に対し、40年に向けて果たす覚悟を示す宣言である」と位置付けた。

 

あるべき姿として、薬局・薬剤師が社会インフラとしての医薬品供給基盤を強化する必要性を強調。対物業務の効率化や対人業務の充実に向け、医療DXの推進やAIの適切な活用、AIと人との役割分担による高度な薬物療法支援、多職種との連携・協働を通じて、薬剤師の専門性を発揮できる環境整備を掲げた。

 

また、医療DXの進展により共有される客観的データと、対話を通じて得られる主観的情報を組み合わせ、患者がどこにいても最適な薬学的管理を提供する時代に向け、評価体系については「従来の立地や集中率といった外形的基準に固執するのではなく、提供された機能の質や成果を正当に評価する体系へ移行すべきだ」と主張した。

 

今後、ビジョンの内容について解像度を高め、NPhAの活動や政策提言に反映していく方針だ。

 

田中氏は、35年をゴールとする厚労省の薬局ビジョンについて、「十分な総括がなされないまま、言わば中間地点のような状態で今日まで来ているという認識がある」と指摘。「『立地から機能へ』という考え方も、当時は医療DXが進んでいない状況下で現実的に限界があった」と述べた。

 

その上で、「現在は医療DXの進展によって、前提条件が大きく変わっている。われわれは医薬分業のフェーズ2と表現しているが、こうした環境変化にも関わらず、十分な総括が行われていないのであれば、自ら整理し直す必要がある」とビジョン策定の背景を説明した。

 

一方、具体的な制度設計のイメージについては、「きちんと頑張っている薬局を評価してほしい」と私見を述べた。その真意として、「立地だけで成り立っている薬局は淘汰されても仕方がない。頑張っているとは、患者に対してきちんとアウトカムを出しているかどうかだ」との認識を示した。

 

処方箋集中率の高低に関わらず機能を果たしている薬局がある一方、集中率が低くても単に多くの医療機関から処方箋を受けているだけのケースもあるとし、田中氏は「門前かどうかではなく、何をやったかで評価されるべき」と訴えた。

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出典:薬事日報

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