薬剤師会

キャリアマップを策定へ ~ 薬剤師が描く将来像支援 日本病院薬剤師会

薬+読 編集部からのコメント

日本病院薬剤師会が、病院薬剤師のキャリア形成を支援するため、目指す方向に応じて必要な経験や学びを可視化した「病院薬剤師のキャリアマップ」を作成する方針を打ち出しました。作成時期は明示していませんが、「早急に策定したい」としています。

日本病院薬剤師会は、病院薬剤師のキャリア形成を支援するため、目指す方向に応じて必要な経験や学びを可視化した「病院薬剤師のキャリアマップ」を作成する方針を打ち出した。大学病院や大規模病院から中小病院、急性期から慢性期まで病院機能の違いを問わず、薬剤師が将来像を描きながら成長できる環境整備につなげる。作成時期は明示していないが、「早急に策定したい」としている。

 


 

日病薬はキャリアマップを、薬剤師が自身の成長段階を確認しながら次に学ぶべき内容や進路を主体的に選択するための「学びとキャリアの地図」と位置づける。施設規模や教育環境の違いを超えて活用できる共通指標とし、人材育成や評価にも役立てたい考えだ。

 

背景には病院薬剤師を取り巻く環境変化がある。病棟業務に加え、入退院支援や薬物治療管理、多職種連携など役割が広がる一方、施設規模や経営環境によって経験できる業務内容に差が生じている。このため若手・中堅薬剤師を中心に、自らの将来像や成長の道筋を描きにくいことが課題となっていた。日病薬は7月、「病院薬剤師のキャリア形成プログラム検討特別委員会」を設置した。

 

第1弾となるキャリアマップでは、免許取得後にジェネラリストとしての基礎能力を修得し、その後は能力や関心、ライフステージに応じ多様なキャリアへ発展していく道筋を示す。現在は基本的な考え方を整理しており、今後図表化して分かりやすく示す方針だ。

 

従来のキャリア形成は、基礎的な臨床能力を身につけた後、認定薬剤師や専門薬剤師へ進む比較的単線的なモデルとして捉えられてきた。一方、今回のキャリアマップは、ジェネラリストを基盤としながら、癌や感染症などの専門領域に加え、研究、教育、マネジメントなど多様な進路を示す点が特徴となる。それぞれの進路で必要な学びや経験、求められる知識・技能を整理し、到達度を確認する評価指標も整備する。「何を経験し、何を学び、何ができるようになったか」を自己・他者評価で振り返り、次の成長につなげる仕組みの構築も目指す。

 

また、病院薬剤師として培った能力を基盤に、薬局や大学、企業など他領域への展開や、出産・育児などライフイベントによるキャリアの中断・再開にも対応する。特別委員会では、管理職や薬剤部長を目指すキャリアパスと必要な研修の検討も進める。

 

特別委員会担当役員の室井延之副会長は7日の定例会見で、「大規模病院にはロールモデルとなる薬剤師がいるが、中小病院では学びたくてもノウハウを得る機会が少ない。そのノウハウを共有し、ここまで学んだら次に何を目指せばよいかが一目で分かるものを作りたい」と語った。

 

薬剤師のキャリア形成をめぐっては、厚生労働省が「薬剤師のキャリアパスに関する懇談会」を設置し、多様なキャリアや専門性のあり方を議論している。日病薬が病院薬剤師向けの道筋を示そうとしている一方、日本薬剤師会も研修・実践履歴の管理や評価制度を構想しており、キャリア形成をめぐる議論は業態を超えて活発化している。

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出典:薬事日報

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