医療

安定供給へ薬価引上げを ~ 政策効果検証求める声も 中央社会保険医療協議会薬価専門部会

薬+読 編集部からのコメント

中央社会保険医療協議会薬価専門部会で、2027年度中間年薬価改定をめぐり議論が行われました。診療側委員からは、安定供給の確保が特に求められる医薬品の薬価引き上げや物価上昇への対応、薬価政策の効果検証を求める意見が相次ぎました。

中央社会保険医療協議会薬価専門部会は28日、2027年度中間年薬価改定をめぐり議論した。医療機関や薬局への納入価が薬価を上回る逆ざや品が問題となる中、診療側委員からは安定供給の確保が特に求められる医薬品の薬価引き上げや物価上昇への対応を求める意見が相次いだ。厚生労働省が示した限定出荷・供給停止品目の減少傾向には「現場の実態と乖離している」との指摘が出たほか、これまでの薬価改定で不採算品再算定や最低薬価の引き上げなどが安定供給にどの程度寄与したか薬価政策の検証を求める声も上がった。

 


 

厚労省は、医療用医薬品の限定出荷・供給停止品目が24年1月時点の4629品目から今年8月時点で1855品目に減少したとのデータを示した。

 

これに対し、渡邊大記委員(日本薬剤師会副会長)は「現在の出荷状況は現場との乖離感がかなりある。出荷割合が改善しているとあるが、販売中止となる品目が増えている。販売中止品目が増えると分母が減り、見かけ上その割合が改善しているように見える」と指摘した。

 

逆ざや品についても「仕切価が薬価を上回り、実際に現場に入る時にはさらに流通経費が上乗せされる。薬価より高い金額で流通すること自体解決すべき状況ではないか。医療機関や薬局では在庫の負担も合わせて抱え切れなくなっている」と逆ざやによる薬局の負担を訴えた。

 

その上で、「現状の根底に薬価制度があることは事実。中間年改定の対象品目の範囲や選定方法に加え、薬価を下げるだけでなく引き上げる対応も必要」と主張した。

 

江澤和彦委員(日本医師会常任理事)も「限定出荷や供給停止が生じているのは全品目の10%程度のごく一部であるかのように示されているが、現場の状況や感覚とは大きく乖離している」と指摘。中間年改定で適用するルールについて「安定供給と薬剤の問題が解消するような効果的な施策を見極めた上で実施すべき」と慎重な対応を求めた。

 

物価上昇への対応については「医療機関も診療報酬で機動的な対応ができない。物価対策としては税制や補助金も考えられることから、薬価に依存しない政策も合わせて総合的に検討してほしい」と要望した。

 

製薬業界の藤原尚也専門委員(中外製薬参与渉外調査担当)は、基礎的医薬品や不採算品再算定の確実な適用に加え、物価高騰や製造原価の上昇を踏まえた薬価引き上げを要望。「物価上昇分を吸収するためにも改定前の薬価を超えることができない薬価算定基準の見直しについても検討してもらいたい」と求めた。

 

これまで安定供給確保を目的に実施してきた薬価上の対応については、効果検証を求める意見も相次いだ。渡邊氏は「薬価の引き上げが供給改善にしっかりつながることを示した上で変えていかないと、いったん再算定となったものが販売中止になっているという動きもある」と指摘した。

 

別の委員からも「安定供給のための薬価の引き上げは重要。26年度薬価改定の不採算品再算定や最低薬価引き上げが全体としてどこまで効果があったのか、事務局で整理してもらいたい」との意見が上がった。

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

出典:薬事日報

ページトップへ