医療機器

経腸栄養コネクタで新方針~旧規格製品の使用可に【厚労省】

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は5月20日に都道府県に通知を発出し、経腸栄養のコネクタ製品について、11月末までとする旧規格製品の使用期限を廃止し、当面の間使用を認める方針に見直しました。ベッドサイドで異なる医療機器間の誤接続を防止するため、国際規格となる新規格コネクタに切り替えを図っていましたが、重症心身障害児の医療的ケア現場において、ネジ式で捻る必要がある新規格は使いにくいため旧規格を使いたいとの現場要望に応じた形となります。

厚生労働省は、経腸栄養のコネクタ製品について、11月末までとする旧規格製品の使用期限を廃止し、当面の間使用を認める方針に見直した。ベッドサイドで異なる医療機器間の誤接続を防止するため、国際規格となる新規格コネクタ(画像参照:紫)に切り替えを図っていたが、重症心身障害児の医療的ケア現場では新規格が使いづらく、旧規格コネクタ(画像参照:黄色)を使いたいとの要望が出ていたため対応を図った。

 

製造販売業者などには旧規格を使う場合の安全対策措置を講じるよう求め、添付文書への追加記載内容について近く通知で示す予定。

5月20日に都道府県に通知を発出した。ベッドサイドで使われる医療機器は、小口径の接続部を有するラインのうち、異なるアプリケーション間でコネクタ同士の誤接続ができないよう国際規格が制定されており、経腸栄養分野でも2016年7月に定められている。

日本でも誤接続防止による医療安全の向上や国際整合による製品の安定供給の確保から国際規格の導入を検討。18年に国際規格の導入を決定し、旧規格製品の出荷期間を21年11月末としていた。

 

旧規格は差し込み型で、新規格はネジ式となっている。日本ではミキサー食や半固形化された栄養剤や流動食が経腸栄養分野で普及しており、日本重症心身障害学会は、新規コネクタ接続で捻る動作が新たに必要になることによる手首痛の発生リスクを指摘。新規格の径は細く、ミキサー食が通らないなど問題点も出ていた。

 

昨年2月には旧規格製品の出荷期限を21年11月末から今年11月末に1年間延長し、厚労省で研究班を立ち上げ、課題を整理。5月の薬事食品衛生審議会で研究班の研究結果を踏まえ、新規格製品への切り替えを促進することが基本としつつ、旧規格製品の出荷期限は廃止し、当面の間設けないことが了承された。

 

旧規格製品を使うためには、▽新規格製品の使用が困難▽目的に見合った医学的な理由がある▽旧規格製品使用によるリスク等も含めたインフォームドコンセントが行われている▽旧規格製品の使用についての情報共有や記録が作成されている――との条件を担保しておく必要があるとした。

 

旧規格製品について誤接続等の不慮の事故を防止するため、添付文書で追加の安全対策措置を講じる必要性を明記。対応の具体的な内容や対応が必要となる時期、必要な手続き等の詳細については今月末までに別途通知で定める方向だ。

 

一方で旧規格製品から新規格製品へ変更を行う製造販売業者は、承認事項一部変更承認申請を速やかに行うよう求めている。

 

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出典:薬事日報

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