医療費

GE薬事業に限界‐収益見込めず解散

薬+読 編集部からのコメント

富士フイルムファーマが2019年3月31日付で解散することを発表しました。
富士フイルム子会社として2010年に営業を開始した富士フイルムファーマは、
ジェネリック医薬品やバイオシミラーの製造を数多く手がけてきましたが、
薬価制度改革などにより収益の確保が困難に。
同社のジェネリック医薬品56成分194品目は、共創未来ファーマへ承継されるとのことです。

富士フイルム子会社でジェネリック医薬品(GE薬)やバイオシミラー(BS)の製造販売を手がける富士フイルムファーマは27日、来年3月31日付で解散すると発表した。4月に実施された薬価制度の抜本改革の影響で、GE薬業界を取り巻く環境が厳しくなり、現在の事業活動では安定的な収益を確保できないと判断した。従業員240人は本人の同意の上で、今後グループ会社への転籍も含めた再就職の支援を受け、退職する予定。販売中のGE薬56成分194品目については、東邦ホールディングス(HD)子会社の共創未来ファーマに承継・販売移管を順次行う。富士フイルムグループは、新薬やバイオ医薬品、再生医療など多角的な事業を展開しているが、GE薬では事業会社を解散し、力を削いだ格好だ。

 

194品目を東邦子会社に承継

 

富士フイルムファーマは、富士フイルムと三菱商事、東邦HDの資本・業務提携により合弁会社として設立され、2010年に営業を開始。設立時は、キョーリンリメディオ、陽進堂、辰巳化学、富士製薬工業など、国内GE薬メーカーから製品を導入し、GE薬や長期収載品の販売を手がけてきた。16年には、BSとしては国内で2番目の承認取得となった糖尿病治療薬「インスリングラルギンBS注キット」を上市していた。

 

しかし、4月の薬価制度の抜本改革により市場環境が厳しくなり、安定的な収益の確保が困難と判断し、解散を決定した。富士フイルムグループとしては、子会社の富山化学や富士フイルムRIファーマが保有する一部製品を除いては、GE薬事業の大半を切り離すこととなった。

 

今後は、来年3月31日に解散承認のための臨時株主総会を開催し、清算人による財産処分の後、6月末までに清算を完了する予定。GE薬56成分194品目については、共創未来ファーマへの承継・販売移管を順次進める。

 

長期収載品のバイエル薬品から販売移管していた食後過血糖改善剤「グルコバイ」など4製品は、9月末までに富士フイルムファーマの販売を終了させ、10月以降バイエル薬品が販売する。情報提供活動については、年内まで富士フイルムファーマが行い、来年1月からはバイエル薬品が実施する。

 

インスリングラルギンBS、抗肥満薬「サノレックス」などの製品については、承継・販売移管先を現在検討している。

 

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出典:薬事日報

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