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更新日:2020.03.05公開日:2015.07.28 美容&健康トレンド薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。
日焼け止めに配合された紫外線を防御する成分を大きく分けると、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類に分類されます。
日焼け止めによりどちらかのみを配合している場合と、両方を配合している場合があります。
紫外線吸収剤とは
吸収した紫外線を熱などのエネルギーに変換して放出するという化学的な仕組みにより、紫外線が肌の細胞に浸透するのを防ぎます。化学反応を起こすことで紫外線から肌を守るため、放出した熱や、そこで起こった化学反応そのもの、化学反応で変化してしまった物質によって肌に刺激を与える場合があります。
UVBをよく吸収しますが、UVAを効果的に吸収する成分は限られています。
紫外線散乱剤とは
散乱剤を使って肌を覆うという物理的な仕組みにより、紫外線を肌の表面で反射・散乱させ、肌に浸透するのを防ぎます。
紫外線散乱剤は紫外線を吸収しないので、肌への刺激が少ない成分です。
UVBからUVAまで広く遮断することができます。
紫外線吸収剤の成分について
紫外線吸収剤は化学合成された成分です。
具体例を挙げると、下記のようなものになります。
- メトキシケイヒ酸オクチル
- ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
- オクトクリレン
- エチルヘキシルトリアゾン
- パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル
- ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン など
紫外線吸収剤の長所と短所
長所
- 紫外線防止効果が高い
- 汗に強い
- 透明で白浮きしない
短所
- 人によっては肌への刺激となる
- 化学反応で効果が弱まるため、塗り直しが必要
紫外線散乱剤の成分について
紫外線散乱剤は、天然の成分がほとんどです。
具体例を挙げると、下記のようなものになります。
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛 など
紫外線散乱剤の長所と短所
長所
- 肌への刺激が少ない
- 紫外線吸収剤のように化学反応は起こさないないため、効果が持続する
短所
- 紫外線吸収剤と比べると、紫外線防止効果が低い
- 汗に弱い
- 白浮きしやすい
紫外線吸収剤はそのもの、もしくは化学反応で変化した物質によって赤みが出たり、かぶれたりという症状が出る人がまれにいます。
日焼け止めを使用したことで肌にかゆみや赤みが生じた場合、紫外線吸収剤が使用されていない日焼け止めを選ぶようにしましょう。
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