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更新日:2020.03.05公開日:2016.02.08 美容&健康トレンド薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。
冬になると気になるのが「乾燥」。お肌の乾燥だけでなく、唇の乾燥に悩まされている人も多いのではないでしょうか。唇が乾燥するとガサガサするだけでなく、皮がむけたりひび割れたり、ひどくなると出血してしまうことも。
また、唇の荒れは乾燥が原因ではない場合もあります。
今回は唇が荒れてしまったときに役立つ知識やリップケア、リップクリームの種類などについてご紹介します。
唇が荒れてしまう原因は?
唇の皮膚は他の部分の肌に比べて角質層が薄く、皮脂腺がありません。そのため皮脂の分泌が行われず、乾燥から皮膚を守る皮脂膜を作ることができないのです。
唇が荒れてしまうことを「口唇炎(こうしんえん)」といいますが、その多くは自然に治る一方で、治療をしないと治らない場合もあります。
唇の皮膚が生まれ変わるスピードはお肌の他の部分に比べると速いので、皮膚が荒れてしまっても対策をすれば効果が出やすい部分です。が、リップケアをしても改善しなかったり、唇の荒れが長期間続く場合は注意が必要です。
では、唇が荒れてしまう原因を見ていきましょう。
◆唇が荒れる一般的な原因◆
乾燥による荒れ
唇を乾燥させてしまう行為には具体的に、下記のようなものがあります。
- 唇を舐める
- 紫外線に当てる
- 口呼吸
刺激による荒れ
唇への皮膚刺激が加わる行為には、具体的に下記のようなものがあります。
- 辛いもの・酸っぱいものを食べる
- 口紅を塗りっぱなしにする
- メイク落としの際に必要以上にゴシゴシこする
◆長期間唇が荒れる原因◆
1ヵ月以上唇が荒れてしまってなかなか治らない場合には、きちんと治療するなどの対処が必要なことがあります。
口唇炎にはいくつか種類があるため、どの種類の炎症が起こっているのか確認しましょう。
注意したい口唇炎の種類には下記のようなものがあります。
接触性口唇炎
水疱や湿疹ができたり、かさぶたが生じたり、唇が赤く腫れたりするのが接触性口唇炎の症状です。
ヒリヒリ感や痛み、かゆみを伴う場合があります。
→接触性口唇炎の原因は?
- 洗顔料や歯磨き粉といった洗浄剤が唇に接触する
- 口紅、乳液などの化粧品が唇に接触する
- リップクリームなどが唇に接触する
アトピー性口唇炎
乾燥や亀裂が起こり、唇の皮がめくれて唇の周りの皮膚がカサカサになってしまうのがアトピー性口唇炎の症状です。
唇とその周囲に色素沈着を引き起こすケースもあります。
ヒリヒリ感や痛み、かゆみを伴う場合があります。
→アトピー性口唇炎の原因は?
- アトピー体質
剥離性口唇炎
黄褐色の湿ったかさぶたができたり、唇の皮がめくれてしまうのが剥離性口唇炎の症状です。
自分でかさぶたを剥いてしまうことが多く、何年も治らずくり返す場合もあります。
ヒリヒリ感や痛み、かゆみを伴う場合があります。
→剥離性口唇炎の原因は?
- コンビニ弁当や外食が多いなど、食生活が乱れている
- 栄養不足
- ビタミンB2・B6の欠乏
光線口唇炎
水泡、びらん、かさぶたができたり、赤く腫れたり、乾燥や亀裂が生じたりするのが光線口唇炎の症状です。
ヒリヒリ感や痛み、かゆみを伴う場合があります。
→光線口唇炎の原因は?
- 大量に紫外線を浴びる(紫外線の強い日中、外にいる時間が長い場合なと)
- 精神的ストレス
口唇炎の原因とされるものはこれら以外にもありますが、多くはこのようなものです。
唇が荒れてしまった場合は、上記に挙げた原因を排除すると荒れが治ることがあります。アトピーなどの体質をすぐに改善することは難しいかもしれませんが、食生活の乱れなどは意識すれば改善できますよね。心当たりがある場合は気にかけてみましょう。
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